有段者の計算力、生かしきれてなくない?

珠算や暗算で段位を取得した。

計算力には自信がある。

それは本当に素晴らしいことです。

 

しかし、少し厳しい言い方をすると、

その計算力、生かしきれているでしょうか。

 

私はこれまで多くの有段者を指導してきました。

その中で感じるのは、

「計算は速いのに、数学になるとその力を十分発揮できていない」

という子どもたちが少なくないことです。

 

もちろん、珠算と数学は別の競技です。

遠投が得意だからといって、野球で活躍できるとは限りません。

リフティングが上手だからといって、サッカーで活躍できるとも限りません。

珠算と数学の関係も少し似ています。

 

それぞれあれば強みになる能力ですが、

レギュラーとして活躍するには

ちょっとだけ物足りないところですよね。

 

しかし、そこで鍛えた能力は決して無駄にはなりません。

遠投で培った肩の強さ。

リフティングで培ったボールコントロール。

珠算で培った計算力や集中力。

それらは次のステージでも大きな武器になります。

 

例えば、

・計算処理の速さ

・集中力

・正確性

・粘り強さ

・試験への対応力

これらは数学だけでなく、いろんな分野の学習においても大きな武器になります。

 

実際、数学が得意な子どもたちには、

「考えることに使える時間が多い」

という共通点があります。

計算に時間を取られないからです。

数学の問題を解くとき、

計算に追われる子と、

考えることに集中できる子では、

同じ30分でも得られる経験が大きく変わります。

珠算有段者は、本来その大きなアドバンテージを持っています。

 

ところが、

学校の勉強に追われたり、

受験を意識し始めたりすると、

せっかく身につけた計算力が活用されないままになってしまうことがあります。

これは非常にもったいないことです。

 

計算力はゴールではありません。

武器です。

そして武器は使ってこそ価値があります。

 

珠算で身につけた力を、

数学へ。

理科へ。

プログラミングへ。

そして将来の学びへ。

どうつなげていくか。

そこに私は大きな可能性を感じています。

 

だから私は、

有段者が持つ計算力を「計算が速い」で終わらせるのではなく、

「考える力」へとつなげていきたいと思っています。