前回ブログの続き
夕方、片腕からの役割をもらい
そのまま仲間達に集合をかけた
いつもならメッセージを読んだらすぐ電話してきて、何?どんな内容?何かあったの?って待てずに聞くのに
平日の夕方の連絡でみんなは察知してたはず
とんでもないことが起きたんだなってことを
毎回、我が家に来る時は
ただいまー!おじゃましまーす!って小学生のように入ってくるのに
この日は静かに入ってきて
「(片腕)さん達も(助っ人)さんもいないんだな」
「一応、仕事早く上がって風呂も入ってきた」
「必要なら泊まれますからね?」
30年以上付き合ってると分かってくれる
正月ぶりにほぼ全員が集まった
20数名
「昨日の夜、(議長)さんが事務所の前で車で突っ込まれて、建物と車に挟まれた」
「なんだよそれ!!!で?生きてるんだよな?」
「生きてるよ」
「犯人、分かってるんですか?!」
「時間はかからず見つかるような話ししてた」
「俺達も行こう!」
「待て。役割をもらった」
「マジ!?何すんの?俺、仕事休む!」
「(議長)さんのケガなんだけど。腕を切断するかもしれないような状態なんだ。大きな病院にいるけどテキトーな処置しかしてもらってなくて。(ナンバー2)さんが突っ込んで聞いたら、切断するにしてもすぐには無理とか、検査するのもモタモタやってるんだって」
「どーにかならねーのかよっ!おかしいだろ!殺す気かっ!!」
「これが当たり前の扱いなんだって。怒りもせず(片腕)さんは普通に言ってた」
「急変とかしないんですか!?重症でしょ!?」
「(外科医)先生が今日、看護士さんを派遣してくれた。処置に必要な薬も持たせてくれて。民間の救急車なら県をまたげるからって手配もしてくれた」
「スゲー!!さすが(外科医)先生だ!」
「明日の午前中には(外科医)先生の病院に出発する。オレ達の出番はここから」
「何?何!?」
「(片腕)さんの若い衆が間違って大勢で現場に行っちゃったから病院でのフォローを頼むとのことだ。兄貴の若い衆も来るけど、オレ達にこっちは頼むって言ってた。あと、」
「あと何?」
「元気付けてやってくれって。(議長)さんの過去は知ってると思うけど、表にも口にも出さない分、抱えてるだろうから」
「うん。そーゆう人だもんな。で?手術するんだろ?」
「する」
「確率は?」
「(外科医)先生でも難しいって言ってたらしいよ。でも最悪の結果を出さないように全力を尽くすって言ってくれてるみたいだ」
「最悪って、」
「腕を失わないこと」
何人かは下を向き涙を流していた
議長の過去を思い返したと思う
それが分かったのは屋根屋の友達の言葉だった
「俺達はこうやって体も元気でいるんだから、どんなことがあっても上を向いていこうぜ。過去はとんでもないほど辛かったと思うけど、今いる未来は過去とは違うって分かってもらいたいじゃん。過去が少しでも握りつぶせるなら何だってしてやろう」
そう言いながらも
涙が溢れた屋根屋の友達でした
画像を見せた
「マジか。なんだこれ」
「これ壁が崩れなかったらケガじゃ済まなかったよな」
「(議長)さんの腕、写ってない」
「血ですよね。本当に大丈夫なのかな」
「こんなことしやがって誰なんだ犯人は!」
「悔しいな」
切ない時間だったけど
これで共有できた
「(大工の後輩)と(外壁屋の後輩)、」
「はい」
「ここの壁の修理頼むな」
「分かりました」
「とにかく明日、病院で(議長)さんを迎える。会えたら連絡するから顔見に来てくれ」
「ん?」
「何?」
「俺も迎える」
「そっか(笑)じゃあそんな感じでみんなヨロシク!」
解散って言ったが
11人は当たり前のように泊まり
朝には目をギラギラさせ
「よーーーし!今日から頑張るぞ!!!」
スゲー気合いでした