前回ブログの続き。
避けることのできない決断。
会長が我が家に来て10日ぐらい経った頃。
思わぬ人の言葉で新たな道ができる。
「オジサン?」
「(長男)君。今日は学校どうでした?また難しい勉強してきたんですか?」
「勉強はちゃんとしてきたよ。それよりもさ、」
「何かありましたか?」
「僕じゃなくて。オジサン、何かあったの?」
「俺?!」
「うん。なんか気になっちゃって。」
二十歳になった長男を、会長は子供扱いしない。
だからこそ誤魔化さずに話してくれた。
「心配してくれてたんですか。ありがとうございます。実はね、そろそろ自分の人生をどうするか考えてるんです。今後、先はそう長くないでしょ?(笑)」
「人生かぁ。何かしたいことあるの?」
「たくさんありますよ(笑)ただね、俺が自分だけの人生に目を向けるってことはそう簡単じゃなくて。うちにいるたくさんの子供達を(会長の側近)に背負わせなければいけません。」
「あーーー。そうか。心配だよね。大変そうだし。」
「その大変な部分を(側近)なら一生懸命やってくれるのは分かってるんですけど。重荷を押し付けてしまうようでなかなかすんなり手放せないというか。」
「オジサンは優しいからね。じゃあさ、練習したら良いんじゃない?」
「練習!?」
「僕が小さい頃にママがよく言ってたんだけど。親がいるうちに何でもチャレンジしなさいって言っててさ。失敗しても大丈夫!親がいればもうダメだ!ってことにはならないから!って。オジサンはお父さんみたいな存在でしょ?」
「はい。」
「(側近)さんがお父さんになる練習してさ、失敗したらサポートすれば心配事なくなるじゃん。」
「(長男)君!!!」
「ダメだった?(笑)」
「その案、採用させて下さい!!!」
「これでいいなら(笑)」
会長の表情はがらりと変わり。
「そうか!練習させれば俺の自由も手に入るもんな!なるほどなぁ~アハハハッ(笑)これなら急に一線引かなくても良くなるもんなぁ~」
と、独り言。
そして嫁に。
「(嫁)さん!!!素晴らしいお子さんに育てて下さってありがとうございます!俺がいるうちにチャレンジさせれば良いんですもんね!失敗しても大丈夫なように!いやぁ~素晴らしい教えです!」
ウキウキ気分で言ったところ。
「子育ては私の方が先輩ですから(笑)」
「本当にね💦まぁ早速、この案を詰めます!」
会長は勢いそのままにあろうことか大事なことなのに広告の裏にびっしり書いた。
それを読んだ嫁が。
「ん?何これ。事務局?そんなのあった?誰?」
「これから作るんです。毎月の会議の資料を作る担当。」
「ん?こっちに書いてあるってことはオジサンの事務所の中のことじゃないわよね?」
「はい。副会長のところが資料作り。どうせ名前ばっかりでやることないし。」
「そっちは改革しちゃダメよ💦」
「資料作り嫌なんですよ💦会長だけが忙しいっておかしいでしょ!?」
「まぁ忙しいわよね。いろんな団体の報告全て載せなきゃならないし。ってゆーかさ。オジサンとその下の幹部さん達の温度差凄いよね💧みんな選ばれた人しか出席できないから会議は一大イベント並みなのに。」
「みんなは来るだけだからでしょ💧」
「そーゆうこと?!じゃあ部署作りな。1年交代とかで。」
「作ります!!!」
大仏のように固まってた会長が動いて喋って笑ってる。
何だかホッとしました(笑)
次の日には片腕とナンバー2に相談して。
完全に会長が関わりなくさないならと理解してくれた。
そして会長が我が家に来て2週間。
「そろそろ(側近)が来そうだな(笑)」
と、会長言った時に。
鳥肌が立った。
前の日オレに、会長の顔だけでも見に行きたいと側近が言ってたから。
分かるんだね。
お互いのことは何でも。
以心伝心。
それを目の前で見ました。