前回ブログの続き。
会長が散歩をしてきた次の日。
嫁がじっくり話しを聞いてくれた。
会長の親父さんがまだ現役バリバリだった頃から知る嫁なら会長の気持ちをいろいろな面で理解できると思った。
会長も素直に思ったことを話してて。
もちろん若い衆には悪いと思ってることも。
「何十年も全速力でよく頑張ってきたわよね。お父さんの看板は重かったでしょ。凄いことを成し遂げてきたよね。」
この嫁からの言葉に気が楽になったと会長は言った。
引き際をどうすべきなのか。
会社なら転職や定年がある。
会長の場合は区切りがナイ。
先代が亡くなって後を継ぐことが多い世界だったから、それなりの理由が必要になる。
ましてや会長ともなると自分達の中だけの問題じゃなくなる。
この椅子をめぐってかつては命を懸けて争ってきた過去がある。
親父さんのように後を任せたぞと言ってこの世を去った方が責任がなくなって楽だよなとも言っていた。
会長は大病を患ったが幸い今のところ健康に問題はナイ。
そこで飛び出したのは。
「会長職はさておき、事務所の中だけならあの作戦があるじゃない。」
「作戦?!」
「代行作戦。」
「あ!!!」
「このままいけば(側近)さんが後を継ぐんでしょ?もうオジサン(会長)の代行として肩書き付けちゃえばいいじゃん。オジサンの身代わり(笑)ちゃんと襲名披露もやって、正式に周りにもお知らせしてさ。ここで辞めます!ってことが1番揉めるでしょ?白黒つけるにはタイミングってものがあるじゃない?」
「(嫁)さん!!!」
「何?」
「天才ですね!」
「靴のオジサン(ナンバー2)の時にオジサンもそうしようと思わなかったの?」
「そこまで考えられませんでした(笑)」
「たださ、」
「何か問題が?」
「(会長の側近)さんが簡単に首を縦に振るとは思えないのよね。」
「あーーー💧」
困ったことに。
会長の側近は会長の傍にいたい人。
自分が先頭に立ちたいと思ってないので会長には不都合な人でもある。
そのため、側近を説得できる言葉を考えたが。
「そんなの絶対うん!って言わないよね💧」
全て嫁に却下され。
「じゃあ他に何か良い言葉考えて下さいよ💦」
「(会長の側近)さんってさ。」
「(側近)って?」
「もの凄く頭良いし想像できないような言葉返してくるのよね💧」
「そうそう💧おまけに頑固だし💧怒ると長いし💧根に持つし💧記憶力良いし💧」
「ここはストレートに隠居準備ってことでヨロシク!って言っちゃえば?」
「そんなこと言ったらね💧嫌です!ってひと言で終わりですよ💧」
「だね💧ついでに怒られそうだし。」
「そーなんですよ!💦」
「ってゆうか今回はまだ怒られてないだけだからね?」
「はぁ!?💦」
「突然いなくなったんだもん、ご立腹よ?怒るのが止まってるだけで、消えてないからね?」
「えーーー💦」
ウチにきて3日後。
こっぴどく怒られた会長。
どうしてこんなことをしたのか理由を話す時間も与えられないぐらいずーっと謝ってました(笑)