会長は帰宅してからもなぜなのかルンルンしてる。
「あのさー。ここまでくると思うんだけど。」
「なんですか?」
「良いことあった?いろいろやってくれてさ、ご機嫌だし。」
「フフフッ(笑)やることあれば帰らなくて良いんでしょ?そりゃ何でもやりますよ?(笑)」
「それでなの?!」
「理由はそれでしたけど、実際やってみると気持ちが良いものですね。誰かの役に立ったり、助けになれたり、俺の世話をしてくれる若い衆がいかに大変なのかも分かります。」
「学んでる💧」
「この歳になって、この立場になって、忙しいのを理由にしてきました。なんの役職もないころは、自分で何とかしなきゃいけない環境にいたのに。先回りして世話をしてくれるのはありがたいです。でも、俺は次に向かう所は引退です。そのときにも若い衆を傍に置くのはあまりにも可哀想でしょ?そんなことを思ってやっていると、まだまだ俺はできることがあるんだなって。」
側近が。
「引退なんてまだまだ先です。仮に引退なさっても傍に居させて頂きます。」
「(側近)、会長という椅子に座れて、その上はないと分かって今までやってきた。次はお前達の番。俺はもうお前達のことに対してなんの心配もしてないんだ。引退のタイミングは俺に決めさせてくれ。」
「固くお断りします。」
「なぜだ?」
「ここに居たいなら好きなだけどうぞ。俺は何も言いません。ただ引退の話しだけは聞かなかったことにします。受け入れることはできません。」
嫁が。
「もうストップ。オジサンは何でも突然すぎるのよ、言葉が。そして私もまだ引退は反対する。」
「え!?💦反対ですか?!俺の年齢分かってます?!」
「元気なんだから何歳だって関係ないわよ💧確かに(側近)さんなら心配ない。でも今の体制をそのまま引き継ぐのは危険。分かるでしょ?」
「分かりません💧」
「ウソ💧自分がどれだけの力と権力を持ってるかは自覚してる?」
「力ね💧権力だって会長ってだけでそんなにね💧」
「(側近)さん。私は(側近)さん側に味方するし、同情する。」
「ありがとうございます!」
「オジサンは自覚するまで引退は無期限延期!」
「えぇ💦」
「ところで引退して何するの?」
「(嫁)さんと出かけます。」
「私は出かけません!早くに引退してヒマでボケちゃって私のこと分からなくなったらどーするの!?」
「ボケませんよ(笑)」
「今日の朝ごはん、何食べたんだっけ?」
「えっと!ご飯と味噌汁と、あの、アレですよ、アレ💧あー💦出てこない。なんて名前だったかな💦あの魚です💦」
「はい、もうボケてるね。」
「ウソだ💦」
「今日よ?思い出せないなんて認知症の始まり。」
「あ!イワナだ!」
「川じゃなくて海です。アジです。」
「そうだ!アジでしたよね!あとお漬け物を少々と卵焼きと、」
「あとは?」
「あと?」
「はい、認知症決定!怖いわね病気って。自分じゃ気付けないんだから。」
動揺した会長ですが。
オレはもっと思い出せませんでした(笑)
認知症にはなっていないと思いますが。
側近が悲しむのは回避できました。
なんで今があるか。
それは側近が着いていきたいと思った唯一の人が会長だったから。
歳なんかの理由で離れたくはないよね。
きっと会長が引退しても、側近は傍にいる道を作るんだと思います。
会長は自分の立場と側近の気持ちに自覚を持ちましょう!
つーか、分かってないって凄くない?
会長だよ?
ちなみに会長はスマホのメモ機能に今朝の朝飯メモってました(笑)