朝からもの凄く暗い顔をした酒屋の後輩が来た。
「何なの?その顔。」
「俺が俺じゃなくなっちゃって💧もう店に立ってるのも無理なんです💧」
「は?!体調悪いのか?詳しく話してみ?」
「客にイライラ止まんないんです💧こっちは帰れ!って言えないのに、マスクもしないで店の中で大騒ぎですよ💧アルコール消毒なんて置いてもちゃんとやる奴いなくて。メチャメチャ咳してる子供連れた母親が酒買いに来てて💧俺、とうとうイラッとして親父に当たっちゃったり💧」
「コロナのせい。」
「俺がおかしいんじゃなくて?」
「そんなの今まで気にしなかったじゃん?」
「はい💧みんながコロナ気にしてないように見えて💧俺も暴れそうになる💧」
「コロナが悪い。自分を責めるな。厳しい目にもなるし、気が緩んでる奴もいる。これがただの連休だったら、浮かれてんな!で、終わったじゃん?で、その声はどーした?」
「怒鳴ったらこうなっちゃいました💧」
「朝からウチにいるってことは、出て来ちゃったとか?」
「おっしゃる通りです💧親父らも店に出なくて良いからって言うけど💧どこにいてもイラつくんで。」
Jが隣に座り。
ギューッと抱きしめ。
「(酒屋の後輩)が頑張ってきたこと、水の泡になったらヤダよな。オレら1つのこと続かねー生き物なのに、このコロナのことだけはみんな本気でやってる。でもな、世の中にはバカとかアホじゃ収まらねー奴が山ほどいる。そんな中でこれだけは忘れるな。(酒屋の後輩)は偉い。頑張ってる。間違ってないから自信持て。対策してない奴は感染してどっかで今頃苦しんでるはずだから。」
ポロポロ流れた涙。
ストレスだったんだなって分かった。
みんながコロナで過敏になってる中。
気にしない人にはいろんな目が向けられて当然。
それが今の世の中。
一生懸命やってる人がいる。
みんな感染しないようにと頑張ってる人がいる。
その事は当たり前じゃない。
手洗い、うがいをマメにして。
ことあるごとにアルコール消毒。
今までになかった手間を生活に取り入れなきゃいけない。
形上か本気なのかで認識も違う。
オレ達は仲間と会えなくなるのが嫌だから頑張ってるだけじゃない。
感染することで、誰かに感染させたくないから。
知らないところで高齢者や持病を持つ人。
重症化したら。
今、酒屋の後輩はJにヨシヨシされながら落ち着きを取り戻そうとしています。
その姿を見てオレは思う。
ウチにまっすぐ来てくれて良かったなって。
これが1人でどこかに行ってたら、知ることができなかったから。
分からない間に悩んでて。
追い詰められてたら。
仲間って何なんだ?と思ってしまうから。
しばらくウチで休ませます。
心って回復するまで時間がかかるから。
酒屋の後輩が泣くなんて。
いつとのことではないから。
一生懸命だった証拠です。