「すみません、電話しちゃって💧」
「何かあったの？」
「(片腕の運転手)がやらかしちゃって💧さっきやっとひと段落です。」
「今度は何したの？相当なことなんだろーな。(側近)さんが参るんじゃ。」
「とうとう吠えたんですよ💧」
「吠えた！？狼みたいに？」
「はい💧毎日毎日、事務所に缶詰じゃないですか。毎年のことでも今年は他の楽しみ見つけちゃったんで、よっぽど苦痛なのは全員分かってたんですよ。」
「楽しみ？」
「(オレ)さん達と会ってた方が絶対的に楽しいじゃないですか💧味占めちゃって💧外に出たい病みたいになっちゃったんです。」
「お客さん来てたんだろ？」
「そこですよ💧真っ最中でした💧」
「は？💧」
「わーーーーー！！って３階で吠えたのが１階に聞こえたんですよ！？」
「マジかよ💧」
「何だか分かんないから３階行くじゃないですか💧俺見て食ってかかってきて。騒然としちゃって(片腕)さん上がってきて、(運転手)が💧」
「(片腕)さんにも？💧」
「はい💧服掴んで、我慢する意味あるのか！って。ここまで自由奪われておかしいと思わないのかって言っちゃって💧まぁ(片腕)さんは冷静でしたけど、心の中では思うこともあると思うんです。(運転手)は凹みすぎて違う意味でおかしくなっちゃってるし💧明日の午前中でようやくひと段落つくのに。」
「完全に狂っちゃったんだな💧」
「(運転手)のことは分かってるつもりなんですけど。こんな時、なんて言ってやれば良いのか分からなくて。だから申し訳ないんですけどヒントを頂けないかと。」
「そんなに凹んでんの！？」
「もう病気に違いぐらい💧部屋の隅でブツブツ自分を責めて、何言っても聞こえてないみたいで💧」
「ヤバくね？💧オレも無理だぞ？でも(嫁)なら何とかできるかも！」
「やっぱり(嫁)さんが１番効果的ですかね💧」
「そりゃそーだよ。小学生の時から一緒なんだぞ？散々奇妙な行動見てきただろーし。それにあの２人、変わり者だろ？(笑)」
「ですね(笑)普通じゃ考えつかないことばっかり頭の中にありますからね。」
電話を切って嫁に事情を話した。
やはり、驚きもしなかった。
「やーね💧あの子、ストレス溜まりすぎて感度が高くなっちゃったのね💧」
「感度？どこらへんの？」
「言葉よ💧お客さんの言ってることに意味を感じなかったのよ。そこに耐える意味。ニコニコしてる自分も嫌になったんじゃないの？ある意味純粋だから違うと思うことがたくさん突き刺さっちゃったのね💧」
「チクチク？」
「一生懸命頑張ろうと思ってたからこそ、理不尽なことが見えすぎてしまったのね。私、電話してみる。」
運転手に電話した嫁。
「(運転手)？私、分かってるよ？(運転手)は普通じゃないこと。でもそれは今に始まったことでもないし(運転手)の個性よ？普通の基準に合わせようと無理しなくて良いの。」
普通じゃない話しから始まった。
「そーそー！ちゃんと悪いなって思えるだけ偉いじゃない。良い人なんて演技すれば良いのよ。別に本当の自分を分かってもらいたい相手じゃないんでしょ？心の中でバーカ！早く帰れ！って思ってても顔だけ笑ってれば良いじゃない。ね？明日の午後には解放されるらしいから、最後まで役目を果たすのよ？」
なんつーこと言ってるんだと思って聞いてたが。
電話を切った嫁。
「(運転手)、元気になったよ？(片腕)と(側近)に謝ってくる！って言ってた。」
えー！！！
吠えた男には嫁。
変わり者には変わり者。
そーゆうことかな？と、納得するしかありませんでした(笑)