午後になり。
いつもの昼寝タイム。
の、はずが。
寝室で休みたいと嫁は言った。
1人になりたいのかなと思って、嫁だけ寝室に行かせたんだ。
いつも昼寝は30分なのに、1時間経ってもリビングに来ない。
様子を見に行ったら。
嫁は寝室のソファーにうずくまってた。
「どーした?」
「息苦しい。」
体調悪くしてた。
何度も何度も深呼吸したんだけど。
空気が入っていかないような感じは収まらず。
Jに電話して事情を話したら。
子供達に知られないようにって外に連れ出してくれた。
このまま様子を見てるなんて余裕はなさそうだったから。
すぐ先生に電話した。
でも診察中で電話には出られないって。
なんか嫌な予感がして。
先生が病院にいるなら、連れて行った方がいいなと判断した。
受付ですぐ対応してくれて部屋に通され、嫁は横になった。
そしてオレに
「私、どうなっちゃうの?」
って聞いた。
「大丈夫だよ。先生なら治してくれるから。」
嫁がただ1人信用した先生だから。
「そうだよね。先生なら何とかしてくれるよね。」
ホッとした顔してた。
たまに顔をしかめながら、深呼吸を続け。
しばらくして先生が走ってくる足音がした。
部屋に入って。
「どうなの!!どこが調子悪いの!」
「息苦しいの。酸素が入っていかない感じ。空気が詰まる感じもたまにする。」
「詰まる感じ?分かった。」
先生は脈をとって。
「(嫁)さん、不整脈。ちょっと酷いから安静にしてようね。」
「前も不整脈になったよね。」
「何かあった?」
「特別あったわけじゃないんだけど、気持ちが休まらないことが多かった。」
「この前来たときに言ってくれれば良かったのに。」
「いつものことだと思ったんだもん。」
「いーい?(嫁)さんが、いつものことだと思ってることは、普通に思うことじゃないんだよ?その結果、不整脈に繋がるようなことなんだからね?分かった?」
「うん。でも何でこんなに体が弱くなっちゃったんだろう。ちょっとのことで体調がガタガタになるようになった。病気だから?年?」
「(嫁)さん?僕の話し聞いてたよね?いつものことだと思っていたことは、慣れてしまうものなんだよ?知らず知らずのうちに、もっと大きなことを抱えられるようになる。でもね、体も大きなことを抱えられるようにはならないんだ。そのままだから、許容範囲を超えたときにバランスを崩すんだよ。」
「そうなんだ。知らず知らずのうちじゃ私が気付けるわけないよね。」
「心当たりあるの?」
「うーん。あるんだけど、言葉にするのは難しい。どこか痛いとか、分かりやすく自分でも言い表せないの。」
「原因があって、結果までの経緯があるでしょ?どこの段階も同じような感じなの?」
「そう。どこが原因なのか、こうなるまでに何を思ったのか本当に当てはまる言葉が見つからなくて。」
「何か断片的なものでも良いから、思いついたら教えてね。そこから辿れるかもしれないから。」
先生は診察に戻り。
嫁は少し落ち着いたのか寝てます。
心と体のバランスが完全に崩れてしまった。
今はそれしか分からないけど。
先生に任せて今は嫁を見守ります。