朝、長男から電話があった。
「パパ?おはよー」
「おはよう。」
「ボク、今日、学校行くね」
「そっか。大丈夫か?」
「うん。車で行くことにした。帰りも」
「そうしろ。自分で考えて決めろ。」
「ママは普通に、歩いて行くの?って言ってたけど(笑)」
「マジかよ。とんでもないこと言うな。」
「そうでしょ(笑)ボクも最初は学校休もうと思ったんだけど、ママが普通に言うからさ、行ってみようかなって思った。」
「そっか、そうゆう気になるよな、普通に言われたらな(笑)」
「あのさ、いつまで車で学校行っていいと思う?」
「いつまででもいーんじゃないのか?ママもJもいるんだから、お前がもういーやって思うまでで。2人ともお前が言ったことなら信用してくれるから。」
長男は割といつも通りで、逆に心配する気持ちを悟らせちゃいけないと思うぐらい元気だった。
少し安心した。
無理して強がって頑張ろうとしてなかったから。
子供達を送って戻ってきた嫁から電話があった。
「今、送ってきた。」
「そっか。思ったより元気だったな。」
「うん。ちょっと安心した。」
「歩いて行くか?って言ったんだって?」
「言ってた?(笑)歩いて行くなら私も学校まで一緒に付き添おうと思ってたし。」
「学校まで!?歩いて?」
「そうよ?帰りも歩いて学校から一緒に帰ってくればいーかなと思って。」
「結構な距離あるぞ?」
「そうだけど、私の見えないところでまた昨日みたいなことあったらヤダし。疲れても遠くても、雨が降っても、私は子供達が無事に帰ってくるなら頑張れるわよ。それに帰りの時間って大事じゃない?他の学年のこと話せたり、仲良くなれたり。」
車ってゆー便利なものがあるのに、子供の立場を考えて自分が苦労しても良いって平気で言うんだもんな。
「お前だって歩いてるとき変な奴に会うかもしれないんだから気を付けないと」
「え?私?大丈夫よ、負ける気しないから(笑)」
本当に負けなそうでそれもまた怖い。
喧嘩慣れしてる人の言うことは違うな、やっぱり(笑)
あんなに細い体でもやる気満々なんだから相当の自信があるんだな。
母は強しなんだな。
どんな覚悟もできちまうんだから。
昨日の夜遅く学校からの一斉メールが来たそうだ。
下校中、本校児童への声かけ事案が発生しました。不審な人物に声を掛けられたら防犯ブザーを鳴らし大声を出すなどして民家に逃げるようご指導下さい。
それを一切やらないで逆にウチの子は助かったのに。
だいたいさ、ウチの中にいて外で防犯ブザーが鳴ってるのを、あれ?って認識するまでに何十秒もかかるだろ?
運が悪けりゃその何十秒で連れ去られる。
大声出して相手を刺激することもある。
怖くて逃げることができない子もいるだろうしな。
のんきなメールだよな。
けど、学校までの道。
お巡りと先生と通学路ボランティアの人がずっと立ってたって。
しばらくは安心だな。
しばらくは。