CT画像の矢印の先にある影——それが腫瘍の可能性があると言われた。
看護師の妹に見せると、「それっぽい、再発のようにも見える」と。
手術痕はずっと残っていた。
ケロイド体質ではないのに、傷はケロイドのように盛り上がり、周囲の皮膚を引き寄せて小さな塊のようになっている。
細胞診では、8か所から採取した。
「パチン」と音がする器具で、一つひとつ、8個。
乳がんのときは3か所だったから、今回はずいぶん多い。
それでも不思議と痛みは少なかった。
麻酔の効き方か、それとも心の準備の違いか。
結果が出るのは3週間後。
ちょうどそのころ、私はハワイにいる。
だから実際に結果を聞けるのは、4週間後になる。
待つ時間はいつも長い。
