お店から出て、スッと差し出された翔ちゃんの手。自然に繋ぐと歓声が上がった。
「バカっプル相変わらず仲良いな!!」
翔ちゃんと『山田太郎物語』でお世話になったスタッフさんの送別会に顔を出した俺。
人付き合いの良い翔ちゃんは、時間が合うかぎりこういう会に顔を出してるらしい。
そういう処、本当に頭が下がる。
翔ちゃんに誘われなきゃ、こういう会が行われているのも、知らなかっただろうけど、意外に楽しかったし喜んで貰えたし参加して良かった。
「それじゃ俺達は此処で」
「お疲れ様でした」
二次会に行く皆と別れて人通りのない道を歩き出す。手は繋いだまんまだ。チラッと翔ちゃんを見遣る。
「酔い醒ましに少し歩こうか?」
翔ちゃんが不意に言った。
「うん、そうだね、ちょっと飲み過ぎたし」
ぶっきらぼうに答えたけど、内心は凄く嬉しかった。もうちょっとこのままでいたかったから。
繋いだ手をブンブン大きく振りながら歩く。
暫くすると、パシャハシャと水音が聞こえる。
見ると公園の中に噴水。
「歩き疲れた?ちょっと休んで行こ」
「ん」
ー今日の翔ちゃんは俺のしたい事、全て先回りしてくれる。
俺を噴水の縁に腰かけさせると、翔ちゃんは飲み物買ってくると、噴水の先3メートル位の自販機へ向かった。
その後ろ姿を見送りながら、ふと視線を上にあげた。
雲一つない空には大きな満月が強く輝いてた。
なんか普段よりも……。
「ほら」
いつの間にか正面に来てた翔ちゃんからペットボトルの水が差し出される。
「ありがと。ね、しょおちゃん、月が綺麗だね」
「ん、俺もだよ」
「えっ?」
翔ちゃんの意外な返事にきょとんとした。