咲の子供時代には
時と
場所
人が違っても


いじめ


がつきまとった



最初のいじめは
同じ社宅にすむ

クラスメートのMくん


咲の人生の中で
まだ浅いいじめ方
だったから

詳しい内容は
忘れてしまった


咲は
宿題のプリントを
そのMくんに
破かれてしまった


破かれたと言っても
差し支えない程度



咲は
そのプリントを
半分に避けるくらいに
引き裂き

母親に
気付かれるように
見せた


母は案の定

同じ社宅に住んでいた


Mくんの家に
押し掛けた


Mくんは
Mくんの母親に
怒られていた

しかし
どう見ても


Mくんが
破った以上に
破けてる


Mくんは
言い訳しなかった


それから
Mくんは
咲を
いじめることは
なかった


その数ヶ月後
Mくんは
父親の転勤で
転校してしまう


弟が生まれ


しばらくすると


弟は持病があることが
発覚した


母は
それからますます
弟につきっきりになる


一度症状が出ると
1週間寝たきり


その間
どこにも
連れて行ってもらえない



弟が3歳の頃から
入退院を
繰り返すようになる


せっかくの
日曜日も

家族で出かける
ことなく

お見舞い



仕事人間だった父は
ますます
仕事にのめり込む


健康に
生まれなかった
弟を

父は


『●●家(咲の名字)の恥』


と思うように
なっていった


6歳の時
弟が生まれた



産後
すぐ母親に会いに
病院へ行った


母を見て
私は
母だけど
母じゃない
気がした



母を弟に取られた
気がした


母は何かあるたび


『お姉ちゃんなんだから、我慢しなさい』



と言うようになる



私は
その頃から



爪を噛むクセが
ついた