独りの職人さんが亡くなりました。(その2) | キノコbpのブログ

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亡くなったヒロシさんの追悼の記にコメントを頂きました。
もっと話して、

では~、ヒロシさんの事をもう少しお知らせしようと、
返信を~、
幾ら送っても、送れません。
何故?と思ったら、
スマホでのコメントは1000字を超えると駄目なのですね。

減らしても未だ駄目なので、
(その2)
とさせて頂きました。
コメント有難う御座います。


亡くなった人の霊は、49日迄この世にとどまると言います。
ヒロシさんは未だこの世の風に乗って、
岩手から飛んできて~、
このブログを見ていてくれるかな?なんて考えて、偲んでいますが、
彼は両親が早く亡くなったようで、父母の事は話しません。

母親代りのお姉さんが居て、
時々お米や食べ物を送ってくれると言って居ました。

ヒロシさんは最初に勤めた所が悪かったのですね、
不法投棄の残土屋さん。
次には屠殺場
学歴が無ければ満足な所に勤められません。
お金を貯めて、運転免許を取り、
牛を売り買いする仕事で、市議会議員の叔父さんと出会い、
叔父さんに可愛がられて、
敷地の隅に小さな家を建てて貰って、
市議会議員さんにも可愛がられて、
始めて落ち着いたのでしょうね、
選挙の時には率先してお手伝いをする。
市議会議員さんの弟・妹の子供を可愛がって、子守り。
その妹さんを連れて来たのもヒロシさんでした。
「事務員さんいらない?」
なんてね。
彼女を私の同僚にしてくれました。葬祭場で彼女に会って、溢れる涙。

K社に勤めて居たのに、
同業者同士で仲間うち。
なのに、
彼は私共に来ました。

この仕事は土工事やコンクリート工事が多いのですけれど、
彼は土を買う場所や土を棄てる場所を探すのは天才でした。
埼玉・千葉・横浜。
何処に行っても残土屋さんやコンクリートのプラントを見付けるのが早かった。

それで助かった主人から特別お小遣いを貰って居ました。

在るとき、
自分が産まれた岩手は、
チャグチャグ馬こ、
というお祭りがあって、
もうすぐだよと言います。

行くのかと思ったら、行かない。
代わりに私が義妹を誘って行きました。

畑中の道を歩く綺麗に飾られた馬の列、
子供や女性・外人さんも乗ってパカパカ。
鳴る鈴がチャグチャグ?

満艦飾の装いに気恥ずかしげな馬さん達。
チャグチャグ馬こ、をお土産に買って、
南部鉄瓶を買って、
「行って来たわよ」
と言ったら、
ヒロシさんは嬉しそうでした。

亡くなった後…田舎の連絡先が判らなくて、
チャグチャグ馬こ、の事に気が付きました。
調べて、
其処の市役所に電話したのですね。
「自殺した人がそちらの出身なのですけれど、名前を言えば調べて頂けますか」
と言ったら、
「守秘義務が有りますので、
警察からの調べでないと受け付けられません」
と断られました。

知らせを受けて、岩手から跡取りの奥さんが息子さんを伴ってこられました。
親代りのお姉さんは老齢で、足を傷めてこられません。

遠い故郷に帰るので、
湯呑み程の小さな骨壺に2人ずつ挟んだ骨をサヨウナラと移しました、

あの時買ったチャグチャグ馬こ、
主人が
「あれを持って行こうか」
以心伝心ですね。
私も思ったこと。
ヒロシさんがチャグチャグ馬こ、に乗って、天国に行きますように、
お棺の中に入れて上げたかったのですけれど、
安置所にいた掛かりの人に首を振られました。
顔も見られない死亡事故ですね。

黙って逝ってしまったヒロシさんに…
哀悼の想いは消えませんが、

今頃はお姉さんに見守られ、
懐かしいふる里で、安らぎの刻を過ごして居るのかな、
なんて思い乍ら、
懸命に生きた儚い命に、
人の世の哀れを感じます。

葬祭場の白い砂利庭に、
消えた泡沫の夢
(ゆく河の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず。
淀みに浮かぶ泡沫は、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし)
方丈記のこれだけ覚えてます、
消えた泡の一粒。

皆様のコメントが読めますか、
有難う御座いますとね、
私から伝えます。
(^人^)
有難うごさいました。