親方のYOさんは何時も義弟とSちゃんと言う若い人を連れて来てました。ブロックやレンガを積む時は若いSちゃんが親方の手元迄材料を運びます。義弟は親方が積んだブロックの穴にモルタルを詰め目地と言って繋ぎの部分にモルタルの筋を縦横真っ直ぐに入れて行きます。親方は彼にブロックを積ませません。悪い言葉で(片輪にする)って…。全部教えると辞めて他に行く、独立する、ので…いちから10迄教え無い。ひとつの事だけが完璧に上手くなる。親方なりの正論です…。Sちゃんはちょっと吃るのと田舎出なので現場から一人で帰れません。(道具を忘れてもSちゃんを忘れるなョ)と言う親方、以前Sちゃんを忘れて帰ったら…ずっと其処に立って居たからと~。 そんな彼等に新しいお仲間が増えました…、眼鏡を掛けた優しい感じの60代の男性で殆ど真っ黒けに近い彼等とは違います。紹介された名前の又の名は(パリのヒジカタさん)です…彼は金持ちのお坊ちゃん、でフランスに留学させて貰い…大学に通って覚えた事が「飲む」「打つ」「買う」で…親から勘当され、身を持ち崩した果ての土方稼業だとか…パリ帰りの土方さんなのでパリのヒジカタ…サン。歳を取った笑顔が心に残る人でした。