来年度は、自分の所属する短大で「読書と豊かな人間性」という科目を担当します。今、どういう内容にするか、何をテキストにするか検討中です。


 もしこれが司書教諭の講習科目としての「読書と豊かな人間性」なら、そのねらいと内容は決まっています。


 <ねらい>
児童生徒の発達段階に応じた読書教育の理念と方法の理解を図る。


 <内容>
1)読書の意義と目的
2)読書と心の教育(読書の習慣形成を含む)
3)発達段階に応じた読書の指導と計画
4)児童・生徒向け図書の種類と活用(漫画等の利用方法を含む)
5)読書の指導方法(読み聞かせ、ストーリーテーリング、ブックトーク等)
6)家庭、地域、公共図書館等との整備


 しかし、うちの短大では、この科目は司書教諭科目ではありません。したがって、何をするかは担当にまかされています。司書科目はありますので、そのへんの科目とかぶらないようにしながら、学生さんのためになるような内容にしたいと思います。


 私自身の願いは、


・「読書人を育てる」


・「読書生活を充実させるために」


というのが、いつも基本にあります。学生さんがいままでの読書生活史をふりかえり、短大での学生生活が充実し、卒業後、生涯にわたって読書生活が豊かなものになり、「読書人」としてすごしていけるような内容にしたいところです。


>1)読書の意義と目的
>2)読書と心の教育(読書の習慣形成を含む)


これは、入れたい。ただ、読書の功罪ということで、読書の弊害も触れたいと思います。


>3)発達段階に応じた読書の指導と計画


 「発達段階に応じた読書」ということで、乳幼児期から児童・児童・生徒の少年期、青年期にとどまらず、成人期、壮年期、老年期までの読書を扱いたい。


 うーむ、美智子皇后のIBBYニューデリー大会基調講演「子供時代の読書」もぜひ、いれなきゃ。


 老壮年期については、触れたい文献があります。


>4)児童・生徒向け図書の種類と活用(漫画等の利用方法を含む)


「図書の種類」ということで、学生さんの読書の幅が広がるように、また司書として幅広いレファレンス・サービスができるように、ちょっといろいろな図書の存在にふれたい。「古典」についても、すこしふれる必要があるかな。


>5)読書の指導方法(読み聞かせ、ストーリーテーリング、ブックトーク等)


「指導方法」は、ここで扱う必要はないでしょう。「読み聞かせ」は、「児童サービス論」でかなり徹底的にその担当者が扱うようだし、「ストーリーテーリング、ブックトーク」は、「表現研究Ⅲ」という科目で、みっちり指導してくれることになっています。ここにはありませんが、「読書へのアニマシオン」は、私が担当している「コミュニケーション論」という科目で、6つくらいの作戦を体験してもらうことになっています。


 だから、「指導方法」ではなく、「読書の方法」をあつかうのがいいかもしれませんね。


>6)家庭、地域、公共図書館等との整備


 これは、司書科目にまかせよう。


 テキストとして、今、考えているのは、


・『読書力』(斎藤孝・岩波新書)
・『読書術』(加藤周一・岩波現代文庫)
・『読書からはじまる』(長田弘・NHKライブラリー)


 個人的には、加藤英俊や佐藤忠男や亀井勝一郎といった人の読書観が好きなのですが、ここでは今のところ、上記3冊にしぼっています。


 加藤周一の本は、私自身は、高校時代、カッパブックスにはいっているのを読んでました。ちかごろ、これが上記の文庫本にはいっていることを知りました。しかし、読み返してみるに、今の学生さんには難しいかもしれないなと。


 斎藤孝は、・・・残念ながら、全面的に賛成できないのです。これをテキストとして扱うなら、いくつか異論をとなえなきゃいけませんが、大学での勉強は、そういうこと(与えられた情報をうのみないこと)も必要なので、いいかもしれません。いろいろな内容があるので、それはそれでいい。


 長田弘の本は、岩辺さんのブログで知りました。昨日、福岡市の自宅にもどって歯の治療をしないといけないので、その帰り、紀伊国屋書店によって、購入しました。なるほど、斎藤氏より、長田氏のほうが読書に対する姿勢がすばらしいし、こっちのほうが私も共感できます。(ところどころに、論理の飛躍があるところがありますけど)。「読書人」のあるべき姿は、長田氏に学びたいものです。


『読書力』か『読書からはじまる』か、どちらかにしぼるか
『読書力』と『読書からはじまる』とを検討するか


 「読書の方法」ということでは、「時間と空間をもどせ!」ということもふれたいな。犬養孝さんかな。


 スペインでの「読書へのアニマシオンセミナー」、最終日のワークは、


 「なぜ読書をしなければならないか」


でした。これも、すこしやってみたいことです。


 読書の楽しみということでは、話したいことがいっぱい。


今から、わくわくです(^^♪


(文責:穴見嘉秀(あなみ よしひで)@九州大谷短期大学表現学科情報司書フィールド助教授  a73@nifty.com )