「レベル3 モンセラッさんたちのアニマシオン以外のアニマシオンがどういうものがあるか研究する。」ということで、一例をお示しします。以下は、2003年8月14日、私の主宰する読書へのアニマシオンメーリングリストで発言したものです。
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From: "pygmalion"
Subject: [animador:0134] 動機づけのアニマシオン
Date: Thu, 14 Aug 2003 07:42:37 +0900
みなさん、こんにちは。穴見嘉秀@九州大谷短大です。
日・月の北九州での「読書へのアニマシオン」「新・読書へのアニマシオン」のワークと模擬授業、火の大分での3時間の「読書へのアニマシオン」の話とワークをおえ、筑後市にもどってきました。
新の授業のほうは、あまり自分で納得できるのものではありませんが、とりあえず、モンセラさん以外の「読書へのアニマシオン」があること、モンセラさんの「事前に読んできましょう」というのではなく、「動機づけのアニマシオン」というのも、今後考えていっていいのではないかということは言ったつもりです。
そのときの資料を以下、おつけします。
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3 『青少年アニマシオン教育スクール』の「読書へのアニマシオン」
(1)『青少年アニマシオン教育スクール』とは
「マドリッド・コミュニティー青年局」(教育・文化諮問委員会;カウンセラー)に属する1つの機関であり、1つのプログラム。1984年以来、マドリッドの青年男女に「余暇、社会文化アニマシオン及び専門教育」に関連した教育過程への参加の道を開いてくる。活動内容は、組織の中枢から発信する生涯教育、自治体との協力、青年諸団体との協力の3つ。教育資源のセンターとしては、図書館業務や記録・情報・交流の提供や支援。
(2) 書籍
『読書へのアニマシオン』 ―君は幾つお話出来るかな?― グループ・ディンゴロンゴ(「愛情をこめた表現・励まし」の意味) カルメン・ドメック、ニエベスマルティン・ロヘロ、マリア・クルス・デルガド・アルマンサ共著
(3) 内容
ア 「読書へのアニマシオン」とは
・本を読むということに新しい命を吹き込むこと
・図書館からであれ、学校からであれ、文化センターからであれ、読者との相互作用が出来るような本を中心に据えて、それをめぐっての活動を促進すること
・教育者の作業は、男性でも女性でも、1冊の本を読むということは必ずしも退屈な行動に結びつく訳ではなく、読書という行動を通して自らが発展・成長し、私たちの現実を変えるのだということ、従って、その現実に対応する大きな統制力を持つことが出来るのだということを、彼らに示すこと
・一人の若い男子か女子に本を読みたいという気持ちにさせる。ということは、彼または彼女に、自分が主人公になる冒険に駆り立てること。しかも、フィクションの登場人物に自らをなぞらえてその冒険を体験させること
・創造的に、遊び心でもって、楽しく本に接し、中身を深めることを進める活動・深くて血の通った読書を実行するということであるが、印刷された活字の謎解きをすることに偏った読書の対極にあり、子供たちが自らの不安や好奇心を投影して自分が抱えている問題の解決策を自分で見つけることが出来る様な読書のこと
「読書へのアニマシオン 特定の控えめな目的」
― 生き生きとした1つの経験としての読書を理解する。
― 受け身の純然たるお話の読書を、能動的・想像力豊かな読書に進化させる。この時、読み取ったものを身近なこと、自分の向上心と関連付ける。
― 文学作品を文化資産として、コミュニケーションの行動として評価する。このコミュニケーションを介して容易に、読者;情報受取人を代表する役割から、私たち自身の判断や再創造(リクリエーション)の作品の著者;情報発信人に移行する。
― 読み・書きの分野の創造的な技術を基本に、ステレオタイプではないコミュニケーションの他の形式を獲得する。
― 批判精神を伸ばし、読書に関連して選別意識を育む。
― 書籍を封じ込める価値観や行動を省察する。
― 文学的な面でも、挿画が代表する芸術的表現の面でも、美的感性を獲得する。
・読者の数を増やすだけでなく、既に読書に親しんでいる人に、読書を共有体験として捉える
イ 「読書へのアニマシオン」の類型
(ア) 読書に先立つ予備動機づけの作戦
・ 予備データを幾つか散りばめて、物語を読者の方に近づける
・ 読者が自らその情報を受け入れる為には、少年・少女が習得する過程で知的好奇心や望みを醸成する様な刺激・激励を用意。
― 研修旅行や遠足
― 映画の上映
― 音楽鑑賞
― 現場の特定
― 壁画の作成
― 写真展
― 同じテーマを持つお話の朗読。口承伝統の重要性を常に強調して。
― 個人の経験を話す。
― 協同ゲームを実施。表現力を鍛える。(訓練)
― テーマについて予め熟考する。
― 内容についての関心を引き起こすための読書の中断。
― 本の登場人物を演じるゲームを通して、予めその人物に自分(読者)をなぞらえてもらう。例えば、海賊の話をこれから読もうという場合、皆で海賊になり、それらしい名前を考え、それらしい性格を真似てみる。
― 本の登場人物が生きていくことになるであろう状況に彼ら読者をイメージ上で連れて行く。例えば、旅行の話と取り組んでいるのであれば、自分達でパスポートを作って、これから向かう場所やコースを思い浮かべてみる。
― 本の登場人物に似た、あるいは、関係のありそうな人物を創り上げてみる。
― ステレオタイプを分析する。その主な性格を際立たせ、同時に、それ程でもない捉えどことの無いその他の性格も提示してみる。
― 予め「上演」してみる。既に「シナリオ」が出来上がっていても、ラフな状態でも構わない。
― 本の中での話が展開する現場あるいは想像の上での場所を表現してみる。
― お話しに登場する(コンテキストの)意味論に従って、語彙を収集、大別する。
― 映画の構造的分析 ― 周期的、直線的なのか、フラッシュ・バックの様に時間が入れ替わっているか ― 本で使われている手法をより良く理解する為。
― お話を創ってみる。語りの様々な手法を駆使して、お話にとって重要な理解力を訓練する。また、場面展開の流れとその区分についても学ぶ。この活動では、独創性の点を提示しその模倣に努めるような構成にすることも可能である。
(イ) 深める作戦
一旦読み終えた話の違った側面にも取り組める深化という作戦。
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むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをおもしろく
穴見嘉秀(ピグマリオン)
コミュニケーション・朝の読書・読書へのアニマシオン・紙芝居・笑顔
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九州大谷短期大学 http://www.kyushuotani.ac.jp/index.html
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(文責:穴見嘉秀(あなみ よしひで)@九州大谷短期大学表現学科情報司書フィールド助教授 a73@nifty.com )