私が(財)日本レクリエーション協会公認レクリエーション・インストラクターに認定されたのは、2004年4月12日です。その資格を取るにあたって、養成講習会をうけ、最後にレポートを書かなければならなかったのですが、私が、2004年3月末に出したレポートは以下のようなものでした。


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私がこれからレクリエーション活動を通じてやってみたいこと

     ~「読書へのアニマシオン」の可能性~

          穴見 嘉秀


 「ひょっとしたら、これは、今、私が関心を持っていることと関連があるかもしれない」。


 2003年2月19日、筑後市のサンコアで、筑後市レクリエーション協会設立記念講演会がありました。たまたま職場で配布されていた講演会の案内をみて参加したのですが、その講演を聴く中で、上記の思いが芽生え、その日のうちに筑後市レクリエーション協会に入会。5月からはじまった筑後市と福岡市のレクリエーション・インストラクター養成講習会を受講し、また両協会の主催するイベントにも参加してきました。そして1年経った今、私のねらいに間違いがなかったことを確信しています。


 私がこれからレクリエーション活動を通じてやってみたいことは、3年前から大学で研究している「読書へのアニマシオン」を、読書レクリエーションとしてさらに研究を深め、普及・実践していくことです。


 アニマシオンという言葉はスペイン語です。命を吹き込むこと、活性化、元気づけといった意味があります。ですから、読書へのアニマシオンとは、読書という行為に取り組んで行くための元気づけ。参加者がコミュニケーションを楽しみながら、アニマドールという指導者のもと、遊びの感覚で、本の世界を発見する(理解し、楽しみ、深く考える)手助けをする活動です。読書離れ、活字離れが進む中、20数年ほど前、スペインで生まれた手法であり、スペインでの推進グループのひとつに、1993年、子どもの本の普及に尽くした団体に贈られるIBBY朝日国際児童図書普及賞が授与されています。そのグループの代表の本が1997年に『読書で遊ぼうアニマシオン』、2001年に『読書へのアニマシオン 75の作戦』という書名で翻訳出版され、2000年、国立教育政策研究所がその著者を日本に招いて、講演や読書へのアニマシオンの実演をされたことから、すこしずつ日本でも注目されてきているところです。


 私は、2001年12月、縁あって、スペインのマドリードに行き、このグループのアニマシオン40時間セミナーを受講してきました。また、このグループ以外で、日本でまだ紹介されていない読書へのアニマシオンの本を現地の書店で購入してきています。日本に帰ってきて、その経験をもとにワークショップや研修会の講師をしてきたのですが、読書へのアニマシオンを、別な視点から深めてみる必要性も感じていました。レクリエーションを楽しむように、読書へのアニマシオンを楽しむのがいいのではないか。でも、そのレクリエーションってなんだろう? それには、レクリエーションを実際、体験し学んでみるのが一番! というわけです。


 レクリエーション講習会では、さまざまな分野のレクリエーションの実技を体験させていただきました。それぞれの指導者のかたのプログラムの展開のしかたや、レクリエーションで必要とされる、ホスピタリティ、コミュニケーションワーク、アイスブレーキングなど、読書へのアニマシオンを子どもたちと楽しむための心の持ちようや技術として大いに参考になります。


 また、当初、読書へのアニマシオンの主な対象を子どもにと考えていたのですが、福岡市レクの先輩の現場、高齢者にレクリエーションをする会で、この読書へのアニマシオンを楽しむ機会をつくっていただき、高齢者も対象とすることの可能性をさぐることができました。今後、読書へのアニマシオンをレクリエーションとして考える際、対象者を子どもから大人・高齢者という幅で考えていけそうです。


 余暇・自由時間をどう過ごすか、これは今日的テーマです。さまざまな過ごし方があります。読書もそのひとつです。気晴らし・娯楽・リフレッシュという意味でのレクリエーション(rec-re-a-tion)としての読書。しかし、読書は、レクリエーションのもうひとつの意味、再創造(re-criacion)とも関係するのです。紙に活字が印刷された単なる物体である本に、読書は、命を吹き込みます。読み手の想像力で物語が再び創られます。あるいは自分の声で、体で、本に命があたえられ、再創造されます。それに加え、自己の再創造も行います。本を読むことにより、自分自身を新たに創造し、自分の精神を創造するのです。


 個人で再創造(re-criacion)する一般的な読書に対し、読書へのアニマシオンは、集団で、遊び(rec-re-a-tionし)ながら、再創造(re-criacion)する読書です。今までになかった形の楽しい読書会、楽しい言葉遊びの会という点で、文化・学習分野でのレクリエーションの新たな一領域として位置づけていいのではないでしょうか。


 以上のことをふまえ、私は、この「読書へのアニマシオン」をより多くのかたに理解していただき、みんなのレク財のひとつとなるように、今後さらに読書へのアニマシオンの研究を進め、普及・実践していきたいと思います。


 さて、冒頭にあげた講演で、講師の先生は、こうむすばれました。


「スタートは簡単。継続するのが難しい。一人ではできないことをみんなでいっしょにやる。たばねていくことによって、大きな力になる。一人の夢をみんなで、みんなの夢を共有しよう。」

 新たな一人のレクリエーション・インストラクターとして、またレクリエーション協会の一会員として、覚えておきたいことばです。ある時は主役、ある時は脇役やサポーターとして、「楽しいをつくる」ことを共に楽んでいくために、私は20数年前、阿蘇青年の家でみつけて、それ以来大事にしている次の詩を、今、ここで、このスタートにあたってレクの仲間と分かち合いたいと思っています。


  ひとりが困れば みんなが助け
  ひとりの問題を みんなで考え
  ひとりのことを みんなで喜び
  肩をたたきあいながら 進むぼくたちです
 
  ひとりの足りないところは みんなで補い
  ひとりが進めば みんなが進み
  みんながみんなを よくしあいつつ
  肩くんで進む わたしたちです 


(文責:穴見嘉秀@九州大谷短期大学表現学科情報司書フィールド助教授)