とりあえず、公表しておこうと思います。公表しておけば、日記には何月何日何時と証拠が残るし、仮に誰かが、無断で引用しても、多くの人が証人になりますからね(^_^)。


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『読書へのアニマシオン 開智ハンドブック①』

― 穴見の読書へのアニマシオン・ワークショップ ―


では、用意したレジュメにしたがって説明したいと思います。まず、2000年『中学教育』(小学館)に書かせていただいた文章を転載しています。途中から、読みます。

 ・・・「朝の読書」とともに今、注目されているのが、スペイン生まれの「読書へのアニマシオン」という読書教育である。

 この「教育」という言葉に線を引いていただけますか。このことばも日本では誤解される面があるので、説明したいと思います。「朝の読書」を実践している学校はどのくらいでしょうか。あ、ありがとうございます。半分のかたが手をあげてくださいました。読書へのアニマシオンの本、一冊目はこの本でした。この本、ご存じのかた、いらっしゃいますか。この本は、もう絶版になっています。では、こっちのほう、ごぞんじのかた? これはけっこういますね。これは逐語訳に近い訳です。正確に伝えるという面では大切なことかもしれません。この本にもモンセラさんのサイン、いただいています。これ発売されたのが、2001年12月10日です。私どもがスペインで講習をうけたのは、2001年12月10日から15日で、講習日の最後に日本から届いて、私は、この本にもサインをしてもらいました。この本のさいごのあとがきにこんなことが書いてあります。
「この講習に参加できたのは、わずか~この幸運のタネ」「運転免許」

 私今、日本レクリエーション協会公認レクリエーション・インストラクターの資格をとっているところなんです。もっていらっしゃるかたいます? スゴイですね! いつぐらいとられました? 
(大学で)
 というと、何年目ということは、なしにしておきますね。ここ3年くらいまえから、カリキュラムがかわりました。ホスピタリティ・トレーニングとかはいっています。 私は2002年に、資格をとったのですが、福岡はレベル高いみたいですね、
 こういうレクリエーション・インストラクターの勉強をされていると、いろいろな面でちょっとちがいますよね。私は、「読書へのアニマシオン」をやっていくなかで、ずっといろいろ研究していまして、これがさっき原書っていいましたが、原書名が「アニマシオン・ア・ラ・レクツーラ」っていうんですよ。ことばの説明は、また、あとでします。私は、実はスペインに行く前に、あるかたから、ちょっと聞いていたんですよ。「モンセラさん以外にアニマシオンの本はあるし、そっちにほうが売れているんじゃないだろうか」と。それで、私は、研修2日目、スペインの本屋さんに行きました。これ、同じ題名です。「アニマシオン・あ・ら・レクツーラ」。まだ、あるんです。いっぱいあるんです。日本に帰ってきて、スペイン語で書いています。私は、スペイン語はできません。これは、20くらい作戦があるんです。どうも中学生・高校生向きみたいです。d、はじめどういう内容かペラベラめくっていて、・・・わかるわけありませんよね。で、翻訳会社に頼んで。訳してもらいました。数十万円、かかりました。しょうがないですよね、一ページ、いくらで。英語の翻訳というのは、安くできるんだそうですが、スペイン語の翻訳というのは、なかなかできる人がすくないということで、けっこう、高いそうです。そういうことまた講演に呼んでください(笑)。講演の謝金とかが、みんなこういうのになっています。で、これとこれと訳してもらったんです。で、日本の場合、問題なのは、ちょっと、この本しか紹介されていないですよね。だから、派閥や独占しようというような雰囲気になる。本家や元祖、一子相伝みたいなことになってしまう。私は、基本的には、自分の知っていることは、みなさんと共有したいと思っています。「読書へのアニマシオン」をぜひ学びたいというかたがいれば、知らせるべきではないかと思っています。そういうことで、私もできるだけ広い視野から考えられるように勉強させてもらっているようなところなんです。今、知りたいという人がいるなか、カリキュラムを隠して、ここにきたら教えるみたいにするのは、なんかなあと思っています。私は、その時点、その時点で、自分の知っている内容をお話していきながら、みなさんに鍛えていってもらいたいなと思っています。そういう気持ちでやっています。

 たとえば、この本は、モンセラさんの75に対して、115の作戦があるんです。ただ、この115というのも、かなり幅広い考えの作戦みたいですね。

 さきほどのレジュメのほうにもどります。「教育」というのを日本で考える「教育」ではなく、もともとの意味、英語でいえば、「エデュケーション」というのから考えていただきたい。「エデュケーション」の動詞形は「エデュケート」ですが、これは「引き出す」という意味があるそうです。だから、読書によって、読む力を引き出すという意味で、この「教育」というのをとらえてほしいのです。これ、「教育」だから「学校」の仕事、みたいにとられがちですが、そうではない。もともとの「引き出す」 よむ力を引き出すために「あそび」の方法をつかっているのがあるみたいです。「教育」、スペイン語では、エデュカシオンというんだそうです。これについても、また派閥があって、ちょっと考え方がちがうんです。

 で、まとめるなら、悪文の見本みたいですが、こういうことです。


 子どもの読む力を伸ばし、まったく      コミュニケーション あ


 これが私なりの定義です。


「読書へのアニマシオン」とは何か。


アニマドール、女性形だとアニマドーラというそうです。ちなみに、英語ではアニメーター。ですから、モンセラさんの一冊目の本の訳では、アニメーターって訳していたんです。ただ、アニメーターっていったら、アニメをつくる人と、日本ではとられかねません。現在では、アニマドールということばが一般的になっています。

 1974年くらいから、このモンセラサルトさん、この本の作者と書店主のカルメン・オルバレスさんが中心になってはじめた。きっかけは、この人、キリスト教の信者さんで、 という集まりがあったそうです。そのときに、子どもの読書離れをどうしたらいいかということがテーマになって、自分たちはスペインから帰ってきたときに、いろいろ考えてみようということではじめた運動らしいです。

 そういうことです。では、次のページ。ここにちょっと基本的な説明をしています。読書へのアニマシオンとは何かということで、私なりにまとめております。もともとは「アニマシオン・ア・ラ・レクツーラ」というのがスペイン語です。それを日本では、読書へのアニマシオンと訳されています。なかには、古い本では「読書のアニマシオン」と訳している人もいます。
読書<への>アニマシオンとちかごろは一般的にいうようになっていますね。

 あるかたがですね、この読書へのアニマシオンという文法的な誤謬にみちた題名なんか語るに値しないというふうに書いていたわけです。でも、そうじゃないということをここでいいたいと思います。さきほどいいましたように、最初は「読書のアニマシオン」となっていたんです。でも、今は「読書へのアニマシオン」という。なぜかというと、まず「アニマシオン」ということば、これ、英語の「アニメーション」と同じです。語源的には、同じもの。では「アニメーション」って何でしょうか。日本では、省略されて「アニメ」っていわれます。漢字二字でいわれると、…アニメとかごらんになりますでしょうか? (「漫画」?かな)漫画をどうかするんですよね。(「動画」?)そう、動画。動く画ですよね。漫画が動く。私、個人的には手塚治虫さんが大好きなんです。手塚治虫さんは、アニメに命賭けましたよね。自分の書いた漫画に命を吹き込みたい、ディズニー映画みたいに動かせたい。線で描かれた漫画に、命を吹き込んで動くものにした。アニメーション(アニメ)って、そういうものですね。で、それを考えもらうとわかります。「命を吹き込むこと」なんです。
 よく、アニマシオンについて説明する場合、「アニマ」ということばから説明するかたがいます。「アニマ」というのは「魂」とか「命」という意味があります。魂をゆさぶるとか、魂を活性化するというように解釈して説明する人がいます。
 わかりやすくいうと「アニマシオン」というのは品詞でいうと名詞です。元気づけとか活性化というような意味。これは、もともと「アニマール」という動詞があって、「元気づける」という動詞が、名詞になって「元気づけ」ですよね。スペイン語「アニマール」は、英語でいうと「アニメート「アニマート」という動詞に相当する。それが名詞になって「アニメーション」というのと同じです。もっと、基本からいうと「アニマ」という名詞が、動詞化して「アニマール」、それがさらに名詞になって「アニマシオン」なんです。「元気づけ」「活性化」「命を吹き込むこと」と考えてもらえばいいと思います。

 別の観点から説明しますね。バルセロナオリンピックというのがございましたね。そのときに、女子マラソンで銀メダルを取った人がいます。「自分で自分をほめてやりたい」あ、これは次のオリンピックでのそのかたの名言ですが、そういうことをおっしゃった人…おぼえていらっしゃいますか。そう、有森裕子選手。有森裕子さん、銀メダルをとれたということで、ご自身が一冊本を書かれているのですが、そのなかでちょっとおもしろいこといわれています。バルセロナはスペインですよね、スペインでマラソンコースをはしっているとき、沿道から声が聞こえてきた。「アニモ! アニモ!」っていう声が聞こえてきたそうです。それを、有森選手は、きいていて、自分を応援してくれている、私のこと、よく知っているんだなということで、がんばれたそうです。「アニモ! アニモ!」・・・。
 もうだいだい想像がつくかもしれませんが、スペイン語で「がんばれ!」なんだそうです。「魂、勇気、気力」という名のスペイン語。スピリットにちかいんじゃないかと。そういうことを自分の著書に書いているのです。ですから、アニマシオン、アニマール、アニマ、アニモ、みんな同語源でつながっている、関係があることばです。ですから、「読書へのアニマシオン」、ある意味、「読書活性化」「読書活動活性化運動」と考えてもいいのかもしれません。アニマシオン、というのはそういうことでよろしいでしょうか。
 「アニマシオン・ア・ラ・レクツーラ」の「ア」というのが、英語のto にあたるそうです。
これが「~への」なんです。ここが「ア」ではなくて「デ」de1:32なら、「「アニマシオン・デ・ラ・レクツーラ」なら 1:32

 「アニマシオン・ア・ラ・レクツーラ」の「ア」というのが、英語のto にあたるそうです。
これが「~への」なんです。「ア」に似たもので「デ」deというのがあります。「デ」は、英語のof にあたります。「アニマシオン・デ・ラ・レクツーラ」なら「読書のアニマシオンでもいいわけです。「アニマシオン・ア・ラ・レクツーラ」は「読書へのアニマシオン」。「読書」に「向かって」元気づけていく、活性化させるということですね。ですから、けっして、文法的に誤謬に満ちた題名にみちた本の題名ではないわけです。ちょっと、わかりにくいかもしれませんけどね。
 「ラ」というのは冠詞です。スペイン語の名詞は、男性名詞、女性名詞とある中、女性名詞につく冠詞です。
 最後に「レクツーラ」というのが女性単数形名詞で、「読書」とか「教養」「読書によって得られる教養」「読解」とかいう意味があるそうです。
 これらは、私のインターネット・メーリングリストに所属している人、東京外国語大学を出られたかたで、スペインのほうにも何度か行ったことのあるかたが教えてくれた内容です。山田未希さんというかたが教えてくださいました。
 だから、このアニマシオン・ア・ラ・レクツーラというのを厳密に訳ならば、「読書という行為に向かって取り組んでいくための元気づけ」ということになります。これがもともとの意味というふうに考えていいかと思います。ですから「読書推進運動」とかいうことでもいい。だから、さきほどもいいましたように、「アニマシオン・ア・ラ・レクツーラ」というタイトルのはいった書物は、モンセラッ・サルトさん以外にもたくさんあります。いくつかあります。このあたり、私も今整理中なんですけど、私が調べたなかでも12,3冊ありました。

 リスト

このなかで、3番目と12番目が、モンセラッ・サルトさんのものです。日本語訳がでています。私は、これ以外に、1番目、6番目の本を翻訳会社に頼んで訳してもらいました。1番目の本は、読書会のことだろうと思ったんですね。ブック・フォーラムみたいな題名ですから。
6番目の本をスペインから帰ってきて、訳してもらいました。そうすると、この本の最後には、「参考文献」がたくさん書いてあるんです。その参考文献の中に「アニマシオン・ア・ラ・レクツーラ」という分類で、  と書いてありました。私は、それを全部注文してみました。どいうものなのかと思って。この中には、アニマシオン・ア・ラ・レクツーラという題名もはいっています。で、私は福岡に住んでいるのですが、こちらのK書店とM書店とあります。外国語の本を注文できるんです。みなさん、外国語の書籍注文ってしたことあります? K書店のほうがいいですよ(笑) M書店関係の人がいたら、ごめんなさいねm(_ _)m(笑) おもしろいんですよ。これ、書籍注文カウンターに行って、注文するでしょ。注文すると、スペインの本だと2ヶ月くらいかかりますね。この2つの書店、ルートが違うせいか、モンセラッ・サルトのこの原書、M書店のほうが高いんです。(笑)。これ、どうしてかというと、私は、2500円くらいで原書をK書店で買ったのですが、M書店で注文してかったかたが、おどろいていたんです。彼女は、3500円くらいだったそうです。私も福岡のM書店のカンターにいって、注文書かいたら、ここの出版社とは取引がないからダメだとかいろいろいわれて、もう注文を撤回したおぼえがあります。もう、ここに「檸檬爆弾」しかけてやろうかと思いましたよ(笑)
 で、個人的には、K書店をその後利用することにしたのです、その「  」に載っている参考文献の本を全部注文してみた。で、2ヶ月後に、すこしづつ返事がかえってきましたが、半分くらいは絶版でした。ここに一部持ってきました。こういう本があります。おもしろそうだなと思って、これも翻訳してもらいました。翻訳代だけで、100万円くらいつかっていると思います。もとはいつかとります(笑)これ、よくみたらアメリカの本の翻訳なんです。積極的な読者を育てる、という本です。そのための方法ということで、いろんなことが書いてあります。(そういえば、スペインでモンセラさんが言っておりましたね。読書がいつまでも受け身ではいけない。自分から積極的に本を読むようになったら、この「読書へのアニマシオン」はおわりである)
 ということで、実は、スペインには「読書へのアニマシオン」に関する本はたくさんあるということです。。
 私の今住んでいるところは、福岡県です。福岡県では「青少年アンビシャス運動」という運動が、県知事のよびかけではじまっています。県をあげて青少年を育てていこうというさまさまな取り組みが今福岡では展開されています。学校や家庭を・・・で、読書をしよう、という柱もあります。アンビシャス広場とか、いろいろあるんですよ。
 で、スペインでも「社会文化アニマシオン運動」というのがあるそうです。アニマシオン、活性化と前にいいましたよね。社会文化を活性化しようという運動があるんだそうです。これについては、日本の研究者のなかで増山均というかたが、一番くわしい。本も何冊かかかれています。今、早稲田大学の教授ではなかったかと思います。   という本をみなさん方の中で、ご存じのかたもいらっしゃるかもしれません。『学校図書館』という雑誌でも、「読書のアニマシオン」の特集があったことがありますが、このかたも書かれていました。「アニマシオン」という言葉だけだったら、このかたが権威ということになります。この人は、『読書で遊ぼう アニマシオン』の序文も書いています。社会文化アニマシオン、この運動が社会を活性化させる運動があると、ネーチャーゲーム、プロジェクトアドベンチャー、今の日本でいえば、全国的なレクリエーション活動すべてをあわせて、この「社会文化アニマシオン」に匹敵するのではないかと思います。この「社会文化アニマシオン」の柱の一つとして、読書をすすめていく運動があると。ですから、この「社会文化アニマシオン」のひとつとして、読書へのアニマシオンの本がでるのはすばらしい・・・と序文で書いています。
 しかし、この論理は、モンセラさんにうかがうと違うんです。こういうことです。社会文化アニマシオン、青少年アンビシャス運動、レクリエーション運動の中の一つとして「読書へのアニマシオン」があるんだと増山さんは書いているんだけど、モンセラッ・サルトたちが考えているのは、そういう位置づけではありません。
 社会文化アニマシオン、青少年アンビシャス運動、レクリエーション運動の中の一つの柱として「読書へのアニマシオン」があるんだということを書いているのは、実は、モンセラッ・サルトさんの本じゃなく、   のほうなのです。
じゃあ、モンセラッ・サルトさんたちがやっている「読書へのアニマシオン」は? となりますね。それは、モンセラッ・サルトさんたちがスペインではじめた、自分たちのグループでやっている活動を「アニマシオン・ア・ラ・レクツーラ(読書へのアニマシオン)」と名づけたのです。これは、私が直にモンセラッ・サルトさんにお聞きしましたので、間違いはありません。「社会文化アニマシオンという運動があって、そのひとつとしてとらえられていますが、そうですか」と、セミナー3日目の昼食、モンセラッ・サルトと同じテーブルだったので、尋ねたのです。「それはちがう」とお答えになりました。「私たちがやっていることを、私たちは<アニマシオン・ア・ラ・レクツーラ(読書へのアニマシオン)>と名づけ、実践し、普及しているんだ」ということです。

(文責:穴見嘉秀@九州大谷短期大学表現学科情報司書フィールド助教授)