9月3日で終わってしまう、奈良博の「聖地南山城」を観にきました。
平安中期、所謂藤原時代の国内唯一の遺構、浄瑠璃寺九体阿弥陀仏の修理完成記念の展覧会です。
「源氏物語」の時代、極楽往生するにもランクがございまして、それが9パターン。
もちろん、阿弥陀さま御一行のお迎えにも9ランク。
松竹梅どころではない細かさ。
( 阿弥陀来迎図)
鳴り物、飛天の数から乗り物まで細々と設定されております😁
(興味のあるかたは、「九品来迎図」で検索ください)
ランクごとの阿弥陀さまをずらっと安置する当時の思想は一旦置いておきますね。
自分の身の丈に合った阿弥陀さまにお導きいただきたい、という切なる願いなのでしょうか。
デザインが微妙に違う8体の阿弥陀さまと中央の大きな阿弥陀さま、合計九体の阿弥陀さまがずらりと並ぶお堂は、迫力があります。
地獄行きかもね、と思っている私から見ますと、例え1番下でも極楽往生できるんならいいやん、と思いますね。
藤原全盛期には、この9体揃えた阿弥陀さまのお堂が盛んに建立されたそうですが、
今に伝わるのは、京都の外れも外れ。
奈良の国境の浄瑠璃寺のみ、なのです。
もちろんお堂も仏さまも国宝指定。
市内からのバスも廃線になってしまった山里(失礼!)に、あまたの国宝を抱いて佇む別世界です。
※奈良市内からはありませんが、JR加茂駅からのバスが運行されています。
バタバタしてたら、会期終了間近です。
急げいそげ。
混雑を避けて、夕方を狙いました。
今回の展覧会は、その浄瑠璃寺をはじめとした、南山城(京都の南端、木津川流域を指す)という、あまり全国的には聞き慣れない地名ながら、出品展示物はほとんどが国宝か重要文化財指定という、素晴らしさ。
(浄瑠璃寺の阿弥陀さまは、9体のうち2体が博物館においでです)
敢えて南山城に、聖地を見て時代時代に信仰を祈りの地を設定した理由と、先人から続く想いを受け取りました。
じっくり見て、丁度閉館。
良い感じにゆっくり拝見できました。
この展覧会は、東博にも巡回されるそうです。