【JDリーグ】リーグシステムへの疑問 | (続)京都頑張れ!!

 

 

 

プロ野球(NPB)には中日ドラゴンズという球団がある。

筆者が野球のルールを知り、プロ野球を追うようになったのは2020年代前半のことなので、中日ドラゴンズの黄金期の記憶は皆無といってよい。

中日ドラゴンズは2013年を最後にクライマックス・シリーズの出場を逃しており、ここ最近はペナントレースで苦戦を強いられている。

ところが、2024年4月に『中日ドラゴンズが優勝できなくても愛される理由』という本が出版されているように、近年の中日の観客動員数は好調である。

 

筆者は、2024年8月にバンテリンドームへ行ったことがある。

「阪神が先攻で中日が後攻の試合」を3日連続で現地観戦したが、或る試合で自分の席の近くに二人の中日ファンが座っていた。

一人は中年男性で、もう一人は少年だった。

恐らく親子なのだろうと思った。

その二人のうち、父親と思しき方の中日ファンが、阪神ファンたちが座っているエリアを観ながら「阪神ファンの人たちは優勝じゃないと満足できないもんなあ」と温かいまなざしで語っていたのを筆者は覚えている。

そのまなざしは揶揄や見下しなどとは異なり、どこか達観したような雰囲気だった。

この言葉を聴いたとき、筆者は凄く複雑な気分になった。

 

大前提として、プロ野球の楽しみ方には個人差がある。

チーム単位で応援している人がいてもいいし、選手個人単位で応援している人がいてもいい。

更に言えば、NPB12球団全体を応援(箱推し)している人がいてもいい。

たまに球団や選手の不振に対して誹謗中傷を行う狂人もいるが、プロ野球というエンタメごときで誹謗中傷に走るのは大人げないように思う。

「自分は或る選手を応援しているから、その選手が属している球団がどれほどペナントレースで低迷しようとも、その選手のために球場へ行き続ける」というファンがいたとしても、それはおかしなことではない。

 

ただ、「リーグ順位なんかどうでもいい」という価値観に対しては「何のためにレギュラーシーズンを行っているんですか?」と感じてしまう部分もある。

筆者は昇降格制度には否定的だし、勝利のためにフェアプレーやスポーツマンシップに反した振る舞いをするのは人として賛成できないが、やはりリーグ優勝や日本一を目指す姿勢は欠かせないと思う。

前述した二人の中日ファンにしても、今後もし中日がリーグ優勝や日本一に輝いたら大喜びするはずであり、やはり大多数のファンは自分が応援しているチームのAクラス入りを望んでいる。

 

では、なぜ中日は2013年ごろからペナントレースで低迷しているのだろうか。

それは、単刀直入にいえば「弱くても客が入ってしまうから」ではないだろうか。

Jリーグなどと違って、NPBには昇降格制度がないので、極論、143試合で0勝143敗のチームがあったとしても、そのチームは来年も一軍でプレーできてしまう。

チームの順位が悪ければ選手の総年俸も安くて済むうえに、中日ファンの多くはどんなに中日の勝率が悪くても何故かチケットを買ってバンテリンドームに来てくれる。

つまり、中日ドラゴンズのフロントにとっては「わざわざリーグ成績を上げるインセンティブ」があまりないのだ。

 

中日ファンの若者といえば、青味噌さんが有名である。筆者は2026年4月下旬に青味噌さん本人にライブで「結局、中日ファンが球場にいくから中日フロントは強くなろうとしない。ホークスの生卵事件のように中日ファンはあえて中日フロントにデモやボイコットをすべき。青味噌さんはどう思う?」と伝えたことがある。

 

筆者は中日ファンがバンテリンドームへ行くことを責めたい訳では全然ない。

前述したように、球団や選手の不振ごときで球団や選手を誹謗中傷するのは冷静さを欠いているし、デモやボイコットと称して球団や選手を誹謗中傷するのは間違っている。

中日を愛する人々にとって「観客席で多くの中日ファンが応援をしているなかで中日が試合を勝ち進んでゆき、そしてシーズンの後半に晴れて中日がリーグ優勝を果たすという流れ」が最も理想なのは論を俟たない。

1996年に発生した生卵事件にしても、ホークスの選手たちが乗ったバスに生卵などを投げるという行為は品格があるとは思えないし、「中日の選手たちが乗ったバスに生卵などを投げること」を中日ファンの方々に提案したい訳でもない。

筆者が青味噌さんに伝えたかったのは「中日が好きなのであれば、あえて心を鬼にしてデモやボイコットをすることで、中日のフロントに危機感を持ってもらうという選択肢もあるのでは?」ということである。

 

しかし、青味噌さんは以下の意見を述べていた。


まあ、負けても客が入ることで危機感を持たないって部分は凄くあると思うんですけど、でも結局、プロ野球ってビジネスだし、商売だし、球団経営のうえでは客が入るんだったら、客が入るうえにさあ、強くなりすぎると総年俸がかさむから、球団経営のうえでは良いモデルケースなんだよ……正直、中日って。
まあ、ただ、別にボイコットとか、そんなの個人の自由だし、じゃあ、なんで中日を観に行くかといったら、それでも(中日が)好きだからじゃないですか、(中日を)応援したいからじゃないですかって話であって。うん。
選手というか、ね。(選手が)可哀想というか、応援のかたちだって自由だしさ。そんな。別に、メジャーリーグとかやったら応援歌とかが歌われている訳でもないしさ、日本よりも特に客の入り方ってのは顕著だ(客がたくさん入っている球団と、そうでない球団の差が顕著だ)と思うんですけど。
もちろん選手も応援が力になるってのはあると思うんですけど、別に2020年とか無観客でも結果を残してる選手は残していたので、別に無観客でもっていうかね。それがどんぐらい影響するのかってのは、まあ科学的にさあ、わかんないし。

ここまで来てファン辞めてない奴って、ファン辞めないからね。
だっていま中日ファン続けてる奴って、弱いうちにファンになった奴か、強い時代も経験してるけど十何年も弱いチームのファンをやってる奴しかいないんだから。
そのどっちかしかいないんだからさあ。で、東海圏という或る程度、人口的にも多くて、東京からも、大阪にも、(大阪)からも行きやすいみたいな「そこ」を(生きやすいみたいな地域を)独占できる訳だから、そんなの客なんか入るに決まってる訳ですよ。で、伝統のある球団でさ。だから親世代とかが中日ファン多いなかで、しかもテレビとかみてもドラゴンズの応援番組とかがいっぱいやってる訳ですよ。
そりゃ客、入るやろって話で。でも、個人が怒るのは勝手やけど周りを巻き込むってのは、そりゃあ相応の責任が必要だと思うしさ、それで署名運動しろといっても署名運動って説得力とかがあって漸くすべきものだから。

自分はプロ野球の映像とかに関しては、「映像・画像はSNS投稿禁止」(NPBの試合中の映像や画像のSNS投稿禁止ルール)とかに関しては「おかしい」と思ったので署名運動したんですけど、で、その活動に関してはChange.orgさんも凄く支援してくださったし、自分の中で。それを機に弁護士ドットコムさんだったりとか、東京MXさんだったりとか、メディア出演とかもまあ出来た訳なので。実際それも取り上げられたので、題材として。そういうのだったら分かるけど、あの、「中日が、フロントが、やる気がないから」でボイコットしてしまうのは流石に良くないことなので、もっと方法はあるよね。

 

 

この青味噌さんの言葉を聴いて、筆者は彼が中日に対して持つ愛の深さに感動した。

それと同時に、「中日のペナントレースにおける苦戦はなかなか終わらなそうかもしれない」とも思った。

 

 

2017年7月8日、中日ファンとして知られる落語家の立川志らく氏は以下のツイート(現ポスト)を行った。

 

当時、名古屋に行くと色々な中日ファンから「落合が辞めればドームは一杯になるしもっと強くなる」と言われた。私は「落合をあんな辞め方させたら10年は優勝出来ない」と言い返した。10年は外れそうだが、落合が辞めさせられた後どれだけ弱くなったか。今あの人たちはどう思っているのだろうか?

 

今年で、このツイートから早くも9年が経とうとしている。

果たして、中日は2027年までにリーグ優勝できるのか。プロ野球ファンの注目が集まっている。