私は紅白歌合戦をたまにしか見ていない。
年末に本番組をフルで視聴したことは人生で数回ほどだと思う。
だが、そんな私でも近年の紅白歌合戦に関して気になっていることがある。
それは、男女対抗という形式と、短縮バージョンでの歌唱・演奏が多すぎる点である。
出場アーティストの大半が演歌歌手やシンガーソングライターなどで占められていた時代であれば、女性アーティストを紅組に、男性アーティストを白組に割り振るだけで良かったのだろう。
だが、男女混成のバンドや音楽グループが多く出場するようになり、LGBTなどといった概念が社会に普及するようになると、紅組か白組かの二択がややこしいというケースも増えてゆく。
この問題点への解決策を考えるならば、紅白歌合戦を男性部門・女性部門・視聴者部門のそれぞれでMVPを一つ(一人)ずつ決める大会に変更する案などが挙げられるかもしれない。
男女混成のバンドや音楽グループ、そしてLGBTのアーティストなどのために、男性部門でも女性部門でもない部門として視聴者部門という新たなカテゴリーを新設すればよいのではないだろうか。
余談だが、視聴者部門というネーミングは「既存の男性部門・女性部門ではなく、視聴者のための新たな部門」というイメージに基づくものであり、それ以外の意味は特にない。「第三部門」や「新規部門」や「新設部門」というネーミングでも別に良いと思う。
ちかごろジャニーズ事務所が消滅するという出来事があったが、それ以前は大量のジャニーズファンが視聴者投票に参加し、白組に票を投じるという現象が問題になっていた。
このような票の偏りも「紅組全体と白組全体で競争する現行システム」から「紅組・白組・第三部門のそれぞれで最優秀賞を選ぶシステム」にすることで大幅に緩和されるであろう。
また、番組に出場するアーティスト数を絞るかわりに、歌唱・演奏を短縮バージョンではなくフル・バージョンで流すことも検討すべきだと思う。
今や、自分が興味を抱いているアーティストの曲は動画サイトや配信アプリを使えばフル・バージョンで聴くことができる時代だというのに、年末にテレビをつけて紅白歌合戦をみても短縮バージョンしか聴けないというのは色々と問題があるかもしれない。
以上で紅白歌合戦のリニューアル案を述べたが、「紅白歌合戦で最も重要な要素は歌や演奏である」という大前提だけは見落とすべきでないと私は考える。
「けん玉のギネス世界記録チャレンジ」のように本番組でなくでも出来るような企画に熱を出すよりかは寧ろ、本番組で最も重要な要素を最大限いかせるような番組作りに熱を出すほうが視聴率はあがるのではないだろうか。