ヤフーのトップ画面に<YouTuberはもう食えないのか 「子どもの憧れ」のはずが迷惑系、暴露系、私人逮捕系、そして逮捕者も>という記事があった。
数年前、子どもにとってあこがれの職として挙げられるようになったYouTuber。だが最近は過激な行動を撮影してインターネット上に公開する人も登場し、逮捕者まで出てしまった。
数年前というのは2019年の「小学生の将来就きたい職業ランキング」を指しているのだろうが、子供向け動画を多数あげているヒカキンさんが「好きなことで、生きていく」というYouTubeのテレビCMに出演していたのが2014年であることを考えると、YouTuberは数年前よりも前の段階から子どもにとってあこがれの職だったと考えられる。
しかし2020年ごろからは、へずまりゅうさんらに代表される「迷惑系」YouTuberが出現。22年にはガーシーこと東谷義和さん(現在は刑事被告人)をはじめとする、「暴露系」と呼ばれるジャンルが確立された。そして、今年相次いだ私人逮捕系YouTuber。それぞれ過激な行動や言動が一定の注目を集めた一方、必ずしも品位があるとは言えない状況が生まれ始めた。
2010年代の時点で炎上系と呼ばれるユーチューバーは多数いた記憶がある。
収益化の条件に満たなくなったYouTuberは、そもそも動画を公開しても報酬が支払われません。また、YouTubeの広告単価が以前に比べて低い傾向にあるため、収入が減ったYouTuberが増えていると言えるでしょう
筆者もYouTubeで動画投稿しているが、収益などを狙ったことはない。最初から収益目的で動画投稿している者にとっては過酷な時代になっているのだと思う。
この2年ほど、YouTuberには新たに『教育系』『学び系』といった新ジャンルが誕生するなど、ジャンルの新設には勢いがある一方、(閲覧)ユーザー数の伸びはそれほどでもありません。その結果ユーザーが分散し、動画を公開して再生数が跳ねるということは、5年前に比べると相当起きづらくなってしまっています
ジャンルや好みの多様化は社会のどの領域でも見られるが、YouTubeでも起こっているらしい。
「ひき肉です」などのように突発的な人気発生による「再生数の爆発的な上昇」は近年でも散見されるが5年前に比べると頻度が下がっているとのこと。
世間の人々の「留飲を下げさせる動画」の過激化が、私人逮捕系を生み出したと言えると思います
報道によると私人逮捕系ユーチューバーは盗撮犯や痴漢や転売ヤー(と動画内で認定された人々)などを攻撃していたという。盗撮犯や痴漢や転売ヤーを憎む庶民は多く、彼らが攻撃を受けて困惑している光景を見て悦に浸る視聴者は少なくなかったと言える。
篠原修司と徳力基彦のコメントも載っていた。
篠原修司:煉獄コロアキ氏の場合は、「稼げないから過激なことをする」というよりも「過激なことをするやつがYouTubeでも過激なことを始めた」といった方があっているでしょう。
また、YouTuberが稼げないからみんな過激なことをするわけではありません。
たしかに長く続けられているYouTuberほどボリュームというか、企画が大きくなっていく傾向はみられますが、全員がそうではありませんし、少し主語が大きいように感じます。
今回の事例で「過激なことをするとYouTubeからBAN、または収益が剥奪されて結局稼げない」ことが(過去の事例も含めて改めて)わかったわけですから、このことが広めれば今後、迷惑行為をしてお金を稼ごうとする人は減ることでしょう。
徳力基彦:迷惑系YouTuberの収益が下がっているのは今に始まったことではありません。
すでにYouTube側では質の高いYouTubeに単価の高い広告が集まる傾向が始まっており、プラットフォーム全体で質を重視する流れになっています。
一方で世の中には収入とは関係なく目立つためだけに迷惑行為を行う人がいるのは、残念ながら年始の回転寿司への迷惑行為でも証明されてしまっています。
今後は、こうした迷惑行為とその対策がプラットフォームの中でもイタチごっこが続くと思われますが、社会的に法的対応を厳しく求める声は強まることになりそうです。
ユーチューブの広告収益はチャンネル登録者数や公開動画の再生時間などのハードルを超える必要があるが、広告収益停止までには基本的にタイムラグが生じるというのがポイント。つまり、そのタイムラグが長ければ限定的な期間であることに変わりはないものの稼ぐことは出来てしまう。
篠原は<今回の事例で「過激なことをするとYouTubeからBAN、または収益が剥奪されて結局稼げない」ことが(過去の事例も含めて改めて)わかったわけですから、このことが広めれば今後、迷惑行為をしてお金を稼ごうとする人は減ることでしょう>と楽観的な見解を示しているが、この見解は実態に余り即していないように感じられる。
個人的には<世の中には収入とは関係なく目立つためだけに迷惑行為を行う人がいる>と述べる徳力のほうが本ニュースへのコメントとしては的を射ているように思う。