ハッカーという外来語は本来「コンピューターについて深い専門知識を持ち、寝食を忘れるほど没頭している人」という意味である。

しかし、「深い専門知識を使ってコンピューター犯罪に手を染める人」のことをハッカーと呼ぶケースが目立ったためなのか、現在はハッカーと言えば「コンピューターについての深い専門知識を持ち、寝食を忘れるほど没頭している悪人」のことをイメージする者が多い。

そのため、犯罪に手を染めていないハッカーのことを、わざわざ「ホワイトハッカー」と称する風潮すら見られる。

 

クレーマーという外来語においても似たような現象が起こっている。

クレーマーは本来「クレームを言う人」「苦情を述べる人」という意味である。

しかし、「執拗にクレームを言う人」や「店側に大した問題がないにも拘らずクレームを言う人」のことをクレーマーと呼ぶケースが目立ったためなのか、現在はクレーマーと言えば「執拗にクレームを言う迷惑な人」のことをイメージする者が増えてしまっている。

本来の意味を考えるなら「常識の範囲内にあるクレームを言う人」も「執拗にクレームを言う迷惑な人」もクレーマーと呼ばれるはずなのだが、現代の日本では後者のみをクレーマーと呼ぶことが多い。

 

ハッカーに関して言うと、「深い専門知識を使ってコンピューター犯罪に手を染める人」のことはハッカーではなくクラッカーと呼ぶべきだという声があがっているようである。無論、これはホワイトハッカーという表現と関連している。

クレーマーに関してもホワイトクレーマーに類するような造語があってもよいのかなと個人的には思う。