岸本斉史は『NARUTO』や『MARIO』や『サムライ8』などの作品を発表しているが、いずれも大友克洋の影響をかなり受けている。
『NARUTO』や『MARIO』など作中の重要キャラの名前をそのままローマ字で作品のタイトルにしているのは『AKIRA』と同様であり、パースペクティブに凝った作風も大友漫画と共通している。
『NARUTO』の「蒸危暴威(じょうきぼうい)」は大友の『スチームボーイ』に由来する。
また、『サムライ8』では古老ポジションのキャラの謎めいた台詞が多かったが、『AKIRA』にも「遠まわしなようで、読者に感覚的な理解を期待するような台詞回し」は見られた。
『AKIRA』第5巻で41号が科学者たちに「例えば地球の自転ってあるだろ…」と語りだすシーン等は作中の世界観を主人公に説明する猫姿のキャラを連想させる。
岸本は「この世界で人生に影響を与えた人物がいて、よちよち歩きの自分を導いた母が鳥山明だとすれば、威厳と大き過ぎる背中を見せてくれた大友克洋こそが父だ」(魚拓)と述べているとのことで、岸本の大友への敬意が伝わってくる。