Twitter漫画は題名が特にない漫画も多い。
本作も題名は特にないようだ。
海外で「売春婦」と呼ばれた日本人 差別の根本を語った言葉に気付かされる (魚拓)
この漫画は尾添(@ozoekkk)という方が描いた作品で、2020年6月25日にTwitterへアップされた。
内容としては人種差別に遭った著者と叔母の体験談となっている。
読んで思ったのは人種差別は良くないなということ。
そして、こういった倫理的なテーマ・メッセージ性を訴える作品の場合は、誇張やフィクションは入れない方が良いのではないかということだ。
あくまでフィクションとして誇張などを入れる分には良い。しかし、体験談と銘打っているのにフィクションを混ぜているならまずいと思う。
本作に誇張が含まれているのかは分からない。
ただ、私は本作には不自然な点が多いと感じている。
この体験談のとき、作者の尾添は外見から判断して小中学生だったと見られる。
体験談によれば、カフェで周りの人はスマホをレイシストに向けて使っていたそうだが、スマホが南欧で普及したのは2008年ごろなはずだ。よって、尾添は年齢が高くて20歳前後でなければ時系列的に矛盾するのだ。
また、(単に尾添の画力が乏しいだけかもしれないが)片手で机の脚の底の部分を握って持ち上げたり転倒させたりするというのは人体骨格的に不可能な気がしてならない。
仮に誇張が含まれているのなら、該当箇所を明示した方が良かったのではと思った。
叔母は「差別の根本にあるのは、孤独と未知の恐怖。差別する人は、現実に向き合いもせず、軽蔑したり怯えさせたりすることで自分を守る臆病者」と語っているが、時と場合による。
20世紀のアメリカ南部で盛んだった黒人差別では、差別する白人側は地元でそれなりの社会的地位にあった人も多かった。50~60年代において、白人ばかりが住んでいた町の住民がその町に引っ越そうとしてきた黒人に対して「我々には人権がある。だから黒人から離れて暮らす権利がある」と迫害をした事例があった、この事例において差別をしていた側は、地元住人との付き合いのもとでそのような差別行為に及んでいたのであり、「孤独」だったわけではない。
また、21世紀に入ってからの北欧やドイツで顕著だが、イスラム系移民を入れたら、その地域で犯罪率が上昇し、そのせいで何世代にも亘ってその地域に住んでいた住民とイスラム系移民の間で対立が生じている地区もあるそうだ。
「何世代にも亘ってその地域に住んでいた住民」は移民の現実を目の当たりにしたからこそ、移民への差別的感情を抱くに至ったのではないか(もちろん移民反対デモにも非差別的なものから白人優越主義的なものまで多種多様である)。
あと、今回はたまたま叔母と作者が返り討ちに遭わずに済んでいるが、最悪叔母と作者が人種差別主義者にリンチに遭うリスクもあり、「殴れば解決」するものなのかは疑わしい。
海外の治安は日本より悪い場合も多い。自分の身を守りうるのは基本的には自分だけ。海外でこのような目に遭った場合は、可能な限り避難すべきだろう。