2,モノカルチャー経済
さて、今度は下の円グラフを見てください。
チョコレート、ココアの原料であるカカオ豆を世界で一番たくさん生産している国はどこですか。
コートジボワールです。
そうですね。アフリカにおけるカカオの産地であるコートジボワール、ガーナ、ナイジェリア、カメルーンの場所を地図帳で確認してください。地図からわかる共通点は何ですか?
コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア、カメルーンは隣国なんですね。ギニア湾に面しています。三大洋でいえば大西洋に面しています。
そうですね。他には?
赤道のそばですね。
そうです。気候は熱帯雨林の気候ですね。なぜ、このあたりの国でカカオ豆の生産が盛んかというと、もちろん、環境がカカオ豆の生産に適しているということもあるのです。
しかし、かつての宗主国の都合で、カカオ豆だけを生産させられたからです。その影響が今も残っているのです。
宗主国=植民地支配をしていた国のことです。カカオ豆はチョコレートの原料としてヨーロッパでは珍重されたのです。
他の農作物の生産は許されなかったということですか?
そうです。様々な作物を生産するより、一つに絞った方が宗主国としては効率が良いですから。
次に下のアフリカ各国おもな輸出品のうち、コートジボワールの輸出品に注目してください。
おおっ。カカオ豆の輸出が最も多いですね。
つまり、経済もカカオ豆に頼っているんですね。
はい。つまり植民地時代のままなんです。一度作られた経済の構造を変えるのには、かなりの努力が必要ですから。このよううにカカオ豆にたよる経済にはどのような問題点があるのでしょう?次のグラフを見てください。
カカオ豆の価格推移
結構、価格の変動が大きいんですね。
1976年頃はカカオ豆の値段が高く、大儲けでしょうが、1990年ごろから2000年ごろは価格が安く、大変だったでしょう。
そのとおりです。
また、天候の影響などで、価格は高くても不作になる場合もあるでしょう。
このように一つの作物に頼っていたら、作物のできや価格の変動があるため経済が安定しないという問題点があります。
また、農地が輸出用の農産物の生産に使われるため、食料の生産が不十分になり、食料不足になることがあることも問題です。
先生、先ほどの「各国の主な輸出品」のグラフによるとエチオピアはコーヒー、ザンビアは銅、ボツワナはダイヤモンドとアフリカの国々では特定の農産物や鉱産物の輸出に頼っていることが多いということが言えると思うのですか。
そのとおりです。特定の農産物や鉱産資源生産や輸出にたよった経済をモノカルチャー経済といいます。先ほど挙げた理由ではモノカルチャー経済では、国の発展は難しいのです。
鉱産物の値段も上下するでしょうし、産出しなくなったら、経済はかなり苦しくなりますよね。
はい。
ポイントはこれだ! 植民地支配されていた影響2
モノカルチャー経済→アフリカの発展を妨げている。
なおこの記事は更新をせかしてくれた「バラ君」に捧げます。
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