ODAと日本 指導案 | やさしい社会ブログ

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受験の観点から皆さんに特に役立つを情報を提供します。

発展途上国の社会・経済の開発を支援しようと、政府をはじめ、国際機関、NGO(非政府組織)、民間企業などさまざまな組織や団体が経済協力を行っています。

国連で南北問題を解決する機関は何と言いましたっけ?
 
はい。国連貿易開発会議(UNCTAD(アンクタッド)です。
 
そうでしたね。
さて、様々な経済協力のうち、政府が開発途上国に行う資金や技術の協力を政府開発援助ODAOfficialDevelopment Assistance)といいます。
各国政府は、政府によるODAをおこなっています。下のグラフを見てください。まず、ODAの実績額(支出純額ベース)を見てください。

現在、日本は第何位ですか?

イメージ 1

 5位です。


そうですね。
実は、日本のODA実績は、70年代、80年代を通じて増加、1989年にはアメリカを抜いて初めて「世界最大の援助国」になりました。

その後も1990年を除き、2000年までの10年間、日本は世界最大の援助国でした。
 
 へ~。すごいですね。

しかし、現在は第5位ですね。日本のODA額が減少傾向にあるのはなぜでしょうか?
 
やはり、国内の経済・財政状況が厳しいということがあげられます。

しかし世界の援助国は、日本がODA予算を削減しているのとは逆に、2001年にアメリカを襲った同時多発テロ以降、「貧困がテロの温床になっている」という考えから、ODA予算を増加させています。
 
なるほど。

財政難という国内の事情、テロを減らしたいという国際情勢が、日本のODA実績を低下させたのですね。


たしかに援助額が多いことだけが重要ではないかもしれませんが、日本は経済大国の一国として、国際社会の一員として、国の経済規模に見合った援助をしていくことが重要なのです。

思えば、日本のODAは1954年に始まります。それまでは、日本はODAをされる側でした。
 
つまり、日本は経済援助される側だった、日本は貧しかったということですね。
 
そうなんです。

東海道新幹線、東名高速道路などはODAによる援助によりできました。
1954年以降は日本は援助される側からする側に変わったわけです。
 
これは日本が太平洋戦争のダメージから復興したことを表しているのですね。

そうです。
さて、当初のODAは当初、アジア諸国との友好関係を再構築し、冷戦構造下の西側陣営を強化するという意義がありました。
また調達される物資を日本のものに限定しており、日本の輸出に直接つながっていました。
 
つまり、日本はお金を援助するが、そのお金で日本製品を買えよ、という援助だということですね。
 
それでは他国への援助も結局は日本に還元されているじゃないかといわれてしまいそうです。
 
そうなんですよ。
ところが、最近は違いますよ。そもそもODAによる援助は大きく2種類あります。

技術協力と資金協力です。技術協力とは人材育成や技術普及などを支援するものです。
資金興梠にも2種類あり、無償と有償があります。無償は返さなくてもよいもの、有償は金利をつけて返してもらうものを指します。下のグラフを見てください。日本のODAの割合を示しています。何が言えますか?

イメージ 2



有償の資金協力の割合が減ってますね。それ以外の援助には大きな変化は見られません。
 
そうなんです。さて、次の表を見てください。何が分かるでしょうか?
 
世界銀行による所得分類
(一人当たりの国民総所得)
ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国
日本からのODA
高所得国(12,276ドル以上)
シンガポール、ブルネイ
なし
高中所得国(3,976ドル~12,275ドル)
マレーシア、タイ
あり
低中所得国(1,006ドル~3,975ドル)
インドネシア、ベトナム、ラオス、フィリピン
あり
低所得国(1,005ドル以下)
ミャンマー、カンボジア
あり
 
まず、高所得国にはODAを実施していないことが分かります。
 
これは、もう援助の必要がないからですね。
日本のODAは高中所得国、低中所得国、低所得国に対して実施されています。
 
そのとおりです。
さて、次の資料を見てください。

高中所得国であるタイと、低中所得国であるインドネシアへの2013年度のODAですが、気が付いたことを述べてください。
 
 
有償資金協力
無償資金協力
技術協力
タイ
なし
1.39億円
27.69億円
インドネシア
10.6億円
822億円
60.1億円
 
援助総額がタイ<インドネシアですね。
 
 そうね。
これは、タイの所得の方がインドネシアより高いのだから、当然というべきね。

また、所得が低いインドネシアに対しては資金協力が中心だけど、所得の高いタイに対しては技術協力が中心ということが大きな違いだと考えます。
 
まさに鋭い分析です。

つまり、日本は所得の低い国には資金協力中心の援助、所得の高い国には技術協力中心の援助を行っています。なぜでしょう?
 
 低所得国は病院、学校、道路、水道、鉄道、送電網、港湾、ダム、通信施設など社会の基盤となる設備、いわゆるインフラが不十分なのでは?

だから、まずは資金を援助しインフラを整備してもらおうということでしょう。
 
 なるほど。
それに対して、高所得国は、もうインフラはある。

だから、もう一段レベルの高い援助、つまり技術協力が必要であるということですね。人材の育成を目的にした技術協力に重点を置くことで、医療、鉄道、建設などの技術を身に付けた人たちが中心となって、その国を持続的に発展させて、援助がいらない状態にもっていくことができます。
 
その通りです。

ところで次の切手の写真を見てください。日本のODAを記念した切手です。

日本からの経済協力50周年を記念して発行された切手(パキスタン)
イメージ 3



タイとラオスで、日本からの経済協力によって整備された橋の完成を記念して発売された切手
イメージ 4



 


































 日本のODAが成功している証拠ですね。素晴らしいと思います。
 
この調子で日本も南北問題解決に向けて頑張って欲しいです。
 
 
 
ポイントはこれだ!
南北問題解決のための努力
①NGOの努力
②国際連合(特に国連貿易開発会議(UNCTAD(アンクタッド)))の努力
③ODA



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