網走市議会陳情の趣旨説明文字起こし | 学者崩れの徒然日記(by行政書士 for 船舶無線/ LGBT)

学者崩れの徒然日記(by行政書士 for 船舶無線/ LGBT)

北海道網走市で
行政書士で船舶無線・電機関連の会社の二代目馬鹿息子による
徒然なるままに書いてる日記です。

【趣旨説明文字起こし(長文です)】
 9月10日、網走市議会9月議会総務経済委員会において陳情第48号国あて意見書を求める、陳情第49号網走市あて意見書を求める「性的少数者(LGBTs)へ憲法13条に基づき最大の尊重を求める陳情」の趣旨説明の全文文字起こしです。
 こちらでは趣旨説明の文字起こし(原稿)を載せたいと思います。(以下原稿)
「本日は、6月議会に続きまして趣旨説明の機会をいただきましたことを感謝申し上げます。また、6月議会の際に、ご賛同いただきました議員の皆様に改めて感謝申し上げます。
 まず、性的少数者に関する表現についてですが、6月議会の際にもご指摘がありました通り、LGBTの他にLGBTQ、LGBTQQ、LGBTQQI等多岐にわたりますが、本件では性的少数者を表す一般的、包括的表現をLGBTsといたしますことをご了承賜りますようお願い申し上げます。
 わが国では、1994年に文部省が、2002年には人権教育・啓発に関する基本計画が閣議決定され、「性的指向に関する問題の解決に資する施策の検討を行うこと」が盛り込まれ、同年の人権週間より性的指向を理由とした差別の禁止を明記するに至りました。2003年にいわゆる性同一性障害特例法が成立、翌年から性的指向に加え、性自認を理由とする差別禁止を明記するに至りました。LGBTsの問題はわが国では、人権の問題なのです。
 しかしながらわが国の諸制度はLGBTsの方が存在しない前提であります。たびたびの申し出があっても一向に改まらない第二次性徴の特徴としての「異性への関心」から「性への関心」への記載変更。法律婚でなくても異性間である内縁のパートナーには社会保障の対象になることがありますが、同性パートナーの場合はかかる制度は一切ありません。ともに住居を借りようとするときも内縁パートナーに比べ、困難が伴います。重篤な病になった場合の立会や、亡くなった後も葬儀の立会、遺産分割に至るまで極めて不安定な立場に置かれるのです。
 また、LGBTsの児童・生徒は自己肯定感が低い傾向があり、自死率は他に比べて6倍に上るという調査報告がございます。
 さらに最近もありましたが、公的立場にある方が、事実誤認や当事者のことを知らないと思われる心無い発言や寄稿、表現などにより、声を上げられず、傷つく当事者も多くいるのです。
 私は、7年前より北海道初のLGBTs法務対応行政書士として活動しています。初めて取り扱った案件が男性同性愛者間のストーカー案件でした。友人の知り合いが困っているということなので対応いたしました。彼から「誰にも話せなかった。自業自得と心無いことまで言われた引き受けていただきありがとうございました」と感謝されました。残念ながらこのようなことがあっても今でも状況はあまり変わっていないと思われます。
 前回も申し上げましたが、LGBTsの諸権利を認めることは少子化に逆行するという意見がございますが、むしろ、多様な家族形成を認める方が、人口増加に資すると回答したいと思います。
 その例としてフランスがあげられます。フランスはカトリックの影響が強く戦後長い間民法上、妻は無能力者でした。これは「国に2つの王なし、天に2つの太陽なし」の考えに基づき、家族の主は男性であるという考え方でした。
 しかし、人口減少のため、政策転換をし、多様な家族形成を認める政策転換をした結果、先進国では唯一の人口減少からの人口増加につながったのです。本件は、少子高齢化の解決の一助になるとも思われます。
 6月議会において、網走市も含め全国で26の議会に陳情・請願を行い、10の議会で陳情・請願が採択されました。特に請願の紹介議員を調べたところ、公明党会派さんが、トップでした。国政上の与野党問わず全ての政党の議員さんが紹介議員をしておりますことも申し上げておきます。
 最後に地方創生、地方の時代と言われて久しいですが、地方のLGBTs当事者団体が「故郷を帰れる街にしたい」とスローガンを掲げていることがまだ愛する街で暮らしていきたいという思いがかなえられていないということを表しているのではないでしょうか。本件が採択されることになれば、5万人以下の地方自治体では埼玉県毛呂山町(もろやままち)に次いで2例目となります。多くの大都市ではない自治体に暮らす当事者の皆さんのためにも、網走市に暮らす声を上げられない1000人以上の当事者の皆さんのためにもいち早くご採択を賜りますよう心よりお願い申し上げます。ありがとうございました。」
以上引用終了

ちなみに最終段落の「網走市で暮らす声を上げられない1000人以上の当事者」の根拠です。LGBTsは人口の3~5%とこれまで言われてきました。最近の調査ではもっと多いと思いますが、最低の3%だとしても網走市の平成30年7月末時点の人口は3万5806人ですから、3%で1074人、5%で1790人、陳情に記した7%ですと2506人となります。今回は最も少ない数字を言わせていただきました。私は網走市のLGBTs有権者の数はこれくらいなのでは意識しております。