『青の炎』 貴志祐介
この作品はニノが映画をやると聞いてすぐに読みました。
当時中学生だったあたしはこれかなりハマりました。
図書館で借りて、返しては借りて・・・
買えよっって話なんですけどね
とにかく暗記するんじゃないかってくらい当時読みました。多分夏~学年上がるくらいまでやってたかな。
だがしかしBUT
映画見てなかったんですねー←
嵐出てるので見てないのコレだけだった!!
というわけで、映画も見ました。
話の舞台は藤沢。っても広いね。あ、ネタばれあるのでご注意を!
海側です。鵠沼~由比が浜辺り。
主人公:櫛森秀一は17歳の高校生。 ある日、すでに離婚したはずの母親の再婚相手である曾根隆司が、突然家に居ついてしまった。 母親や妹に暴力や恐怖感を植え付ける曾根に次第に秀一は憤りを感じるようになっていく。 そして秀一は家族を救うために曾根を殺害するためのある完全犯罪を計画する。そして、曽根を殺すが、その証拠を同級生である石岡拓也に知られ、強請られる。今度は石岡を殺す計画を立て、実行。一見どれもばれないはずだったが、刑事によってばれていき、最後に秀一が選んだのは、お気に入りのロードレーサーで海沿いの道を猛スピードで走り、対向車線に来たトラックに向かって・・・
まぁここには同級生・紀子との恋愛も入りつつ。。。
小説のほうは、あんなに読み込んだのに若干あの時感じたこととか忘れてる・・・
中途半端なことは言いたくないので
映画を見た感想を。
見終わった後に思ったのは、物足りない。
映画にすると短く収めなくちゃいけないから仕方ないんだろうけど、小説で感じた繊細さとかが欠けてる。
小説は言葉にして秀一の気持ちが見えるようになってたけど、映画はあたしたちが普段の生活の中で人の気持ちがそのまま分からないのと同じで、生身の人間が演じてるからそこが見えにくい。
ニノの演技は良かったし、やっぱり大好きなので、良く見えちゃうってのもあるだろうけど(笑)あ、声高かったねww
秀一が曽根を殺そうと思うまでのプロセスが短かったのが少し残念。なんか衝動的に殺そうって思った子みたいじゃない?なんか、うまく言えないんだけど、家族を守るためってのはちゃんと分かる。けど、「曽根にいてほしくない=殺す」って浅はかな考えの子みたいに描かれているようで、ちょっとイメージ違ったかな。石岡を殺すまでもそう。秀一はすごく考えて、計画を良く練って実行してる。そのプロセスが大事なのに、削られてるのは残念。あたし視点変かもだし、素人だし、全然よく分かんないけど、映画で印象に残ったシーンが3つ。
1つは、曽根を殺してる時。実際に準備しているときは至って冷静なのに、電流を流して曽根が悶えるのを目の当たりにした途端、冷静で「殺すしか家族を守る道がない」って思ってた秀一が恐怖に怯える。いくら頭で考えてても、実際に人を殺すことの恐怖をちゃんと秀一が感じて、やっぱり普通の高校生で普通の人だ、って思えたところ。
2つめは、紀子を自分の部屋に連れてきた時。石岡を殺した次の日、紀子を自分の家に連れてくるんだけど、気持ちがコントロールできなくて紀子に当たってしまう。紀子は怒って帰ろうとして、それに対して「俺のことがこわいならこわいって言えよ」って怒鳴って、「帰れ」って言う。そして、一人ベッドにうずくまってしまう。これも、刑事の取り調べとかも計画通りに終えた冷静冷徹な秀一がやっぱり崩れてしまうのが見える。人殺して普通でいられるわけがないんだよね。
3つめは、最後。ここは小説でも感動して、この一文を読んだ瞬間に涙が溢れて止まらなくなってしまった大好きなシーン。映画でそのまま再現されていて本当に嬉しかったし、最後が分かってるのにやっぱり泣いてしまいました。
青の炎の面白いと思ったのは、普通ミステリー(ミステリーなのか?)って、犯行があって、それを崩していくものが多いのに、これは犯罪を犯すまでのプロセスが大事に大事にされていて、犯罪者側の視点ってこと。秀一に感情移入させられて、次に彼がどうするのか?刑事にどうかばれないで!そう思ってしまうようなところは貴志祐介さんの力なんだろうか?なんか、濃くいろんなことが盛り込まれているとんこつラーメンの要素があるのに、読み終わったら炎天下の海の家のラムネみたいにさっぱりしてる。でも、炭酸がノドに痛い、みたいな。
これってきっと刑事にバレなくても秀一は一生重いものを背負っていくし(人2人も殺してるんだからそりゃそうだろうけど)、何かを気付き始めてる友達もいる。バレたらお母さんも遥香も苦しむ。でも、最後に秀一が選んだ道もきっと友達もお母さんも遥香も悲しむし苦しむ。
きっと誰も喜べる人なんていないし、誰もが苦しみを抱えていかなければならない。
このなんとも言えない感じ、なんで秀一なの?っていうどうしようもない感が変な感じじゃなく後に残る。
キャストは妹に鈴木杏ちゃんで、紀子に松浦亜弥だったから、友達とか大事な曽根とかがちょっと薄まっちゃったかなぁ・・・
また、本読んでもう一度見たいと思います。