2022年3月2日FBFB投稿記事より

 

今月も三月となり、冬と春の境目の季節になりましたね!日本では旧暦三月を弥生で呼んでいますね!

中学生時代には弥生さんと云う、素敵なショートカット女の子が居りましたことを思いだしまたよ、当時は名前に〇子さんが多い時代でしたから、余計に覚えているのかもね❣

それでは今月の一句

『 雛祭る 都はづれや 桃の月 』 与謝蕪村作

(都のはずれのこんな田舎にお雛様を飾ってあるんだなあ。三月なのですね。)

さて今月の「御朱印・法華経二十八品の心」は法華経「提婆達多品第十二」をご紹介致します。

提婆達多品のテーマは、当時大乗仏教が直面した二つの問題、悪人成仏(あくにんじょうぶつ)と女人成仏(にょにんじょうぶつ)でありました。まず前段において、仏伝では極悪人とされている提婆達多が、実は釈尊にとってはかけがえのない善知識という大切な存在であったとする過去世の物語が説かれています。そして、提婆達多に天王如来(てんのうにょらい)になるという成仏の授記がなされ、どんな悪逆な者も仏の慈悲に漏れることはないことが明らかにされています。そして、後段においては、八歳の龍王の娘が法華経の教えによって成仏することができたという龍女成仏(りゅうにょじょうぶつ)を説くことによって女人成仏が示されているのです。

善悪不二(ぜんあくふに)について

過去世において阿私仙人として法華経をたもち、大王のために法華経を説いて成仏に導いた者が、今生は悪逆の提婆達多となって釈尊を苦しめたという事は如何なることであろうか?

お釈尊様ご一代の教えを四段階に分けると、蔵通別円(ぞうつうべつえん)の四教(しきょう)といい。蔵教とは小乗の教えであり、通教とは大乗初門の教え、別教とは大乗後門の教えであり。この三教において悪は滅すべきもの、善は生ずべきものであるという捉え方で教えが説かれているのです。

しかし、円教という大乗究竟の教えでは、悪の効用を認めて、善悪の両方があってこそ、仏道修行は完成されるという捉え方に大転換し。悪を体験するからこそ、善の大切さが痛感され、善を希求する心も強くなれるとのことです。

 提婆達多は出生の時、既に発熱していたとい、これを天熱と呼び。つまり、生死煩悩(しょうじぼんのう)の熱悩に苦しめられる生涯を暗示して、提婆達多は釈尊が善であるのに対し、自ら悪を体現して、お釈尊様の教化を助けたということなのです。

龍女成仏について

提婆達多品の後半は女人成仏について、龍女の即身成仏(そくしんじょうぶつ)が説かれています。ここでは娑竭羅龍王(しゃからりゅうおう)の八歳の娘が登場し、龍宮で文殊菩薩の法華経の教化をうけた八歳の龍女は、智慧にすぐれ、わずかの間に悟りの心をおこして、退転することのない境地を得て、しかも、弁舌にすぐれ、人々に対する慈悲の心は深く、その説くところは広く深いものがあり、しかも思いやりがあり、心やさしいので悟りに達することができたのであります。

宝珠をたてまつるとは

そのとき、龍女は一つの宝珠を持っていたのでりますが、その価値は三千大千世界の財宝も匹敵するものであり、その宝珠を釈尊に献上したところ、お釈迦様はこれを即座に受け取られました。仏様に献上する唯一の宝珠とは「いのち」そのものと受け止められ、身命をも惜しまぬ信心とも言えるのです。

 宝珠をたてまつった龍女は、智積菩薩と舎利弗尊者に向かって、「私は宝珠を献上しましたが、世尊がお受け取りになられたのは速かったでしょうか。では、あなた方の神通力で私の成仏するのをご覧ください。これよりもさらに速いことでしょう」

 このように告げるやいなや、龍女はたちまち男子(なんし)に変わり、菩薩の修行をそなえ、十方世界の人々のために妙法を説くさまを霊鷲山の虚空会の座にあった人々は目の当たりにしました。

このように、龍女の成仏すなわち女人の成仏するさまを見た智積菩薩、そして舎利弗尊者やすべての人々は、黙然としてこの事実を受け入れたのであります

今月の教えは・・・🙏

       龍 女 成 仏

       悉 遥 敬 礼

(龍女の成佛して ことごとく遥かに敬礼す)

女性が女性のまま成仏できると説かれた法華経。

八歳の龍の子が成仏する様子をみた人々は心から喜び合掌して敬います。

男性も女性も、そして人間以外の生き物も分け隔てなく、

誰もが等しく仏となれると説かれた法華経に出会えた私たち。

日々信仰に励んで参りたいですね♪

😠🙏

    妙法蓮華経提婆達多品第十二 抜粋

爾時仏告。諸菩薩。及天人四衆。吾於過去。無量劫中。

求法華経。無有懈倦。

(訳)爾の時に仏、諸の菩薩及び天・人・四衆に告げたまわく、吾過去無量劫の中に於て法華経を求めしに、懈倦あることなし。

於多劫中。常作国王。願発求於。無上菩提。心不退転。

(訳)多劫の中に於て常に国王と作って、願を発して無上菩提を求めしに、心退転せず。

為欲満足。六波羅蜜。勤行布施。心無悋惜。象馬七珍。国城妻子。奴婢僕従。頭目髄脳。身肉手足。不惜躯命。時世人民。寿命無量。為於法故。捐捨国位。委政太子。撃鼓宣令。四方求法。誰能為我。説大乗者。吾当身終。供給走使。

(訳)六波羅蜜を満足せんと欲するをもって布施を勤行せしに、心に象馬・七珍・国城・妻子・奴婢・僕従・頭目・髄脳・身肉・手足を悋惜することなく、躯命をも惜まざりき。時に世の人民寿命無量なり。法の為の故に国位を捨てて政を太子に委せ、鼓を撃って四方に宣令して法を求めき。誰か能く我が為に大乗を説かん者なる。吾当に身を終るまで供給し走使すべし。

時有仙人。来白王言。我有大乗。名妙法蓮華経。若不違我。

当為宣説

(訳)時に仙人あり、来って王に白して言さく、我大乗を有てり、妙法蓮華経と名けたてまつる、若し我に違わずんば当に為に宣説すべし。

時有仙人。来白王言。我有大乗。名妙法蓮華経。若不違我。

当為宣説

(訳)時に仙人あり、来って王に白して言さく、

 我大乗を有てり、妙法蓮華経と名けたてまつる、

 若し我に違わずんば当に為に宣説すべし。

仏告諸比丘。未来世中。若善男子。善女人。聞妙法華経。提婆達多品。浄心信敬。不生疑惑者。不堕地獄。餓鬼。畜生。生十方仏前。所生之処。聞常此経。若生人天中。受勝妙楽。若在仏前。蓮華化生。

(訳)仏諸の比丘に告げたまわく、未来世の中に若し善男子・善女人あって、妙法華経の提婆達多品を聞いて、浄心に信敬して疑惑を生ぜざらん者は、地獄・餓鬼・畜生に堕ちずして十方の仏前に生ぜん。所生の処には常に此の経を聞かん。若し人天の中に生れば勝妙の楽を受け、若し仏前にあらば蓮華より化生せん。

文殊師利言。我於海中。唯常宣説。妙法華経。

(訳)文殊師利の言わく、我海中に於て唯常に妙法華経を宣説す。

智積菩薩。問文殊師利言。此経甚深微妙。諸経中宝。世所希有。頗有衆生。勤加精進。修行此経。速得仏不。

(訳)智積菩薩、文殊師利に問うて言わく、此の経は甚深微妙にして諸経の中の宝、世に希有なる所なり。頗し衆生の勤加精進し此の経を修行して、速かに仏を得るありや不や。

文殊師利言。有。娑竭羅龍王女。年始八歳。智慧利根。善知衆生。諸根行業。得陀羅尼。諸仏所説。甚深秘蔵。悉能受持。深入禅定。了達諸法。於刹那頃。発菩提心。得不退転。辯才無碍。慈念衆生。猶如赤子。功徳具足。心念口演。微妙広大。慈悲仁譲。志意和雅。能至菩提。

(訳) 文殊師利の言わく、有り。娑竭羅龍王の女年始めて八歳なり。智慧利根にして、善く衆生の諸根の行業を知り、陀羅尼を得、諸仏の所説甚深の秘蔵悉く能く受持し、深く禅定に入って諸法を了達し、刹那の頃に於て菩提心を発して不退転を得たり。辯才無碍にして、衆生を慈念すること猶お赤子の如し。功徳具足して、心に念い口に演ぶること微妙広大なり。慈悲仁譲・志意和雅にして能く菩提に至れり。

爾時舎利弗。語龍女言。汝謂不久。得無上道。是事難信。所以者何。女身垢穢。非是法器。云何能得。無上菩提。仏道懸曠。径無量劫。勤苦積行。具修諸度。然後乃成。

(訳) 爾の時に舎利弗、龍女に語って言わく、

 汝久しからずして無上道を得たりと謂える。是の事信じ難し。所以は何ん、女身は垢穢にして是れ法器に非ず、云何ぞ能く無上菩提を得ん。仏道は懸曠なり。無量劫を経て勤苦して行を積み具さに諸度を修し、然して後に乃ち成ず。

又女人身。猶有五障。一者不得。作梵天王。二者帝釈。三者魔王。四者転輪聖王。五者仏身。云何女身。速得成仏。

(訳)又女人の身には猶お五障あり、一には梵天王となることを得ず、二には帝釈、三には魔王、四には転輪聖王、五には仏身なり。云何ぞ女身速かに成仏することを得ん。

爾時龍女。有一宝樹。価直三千大千世界。持以上仏。仏即受之。龍女謂智積菩薩。尊者舎利弗言。我献宝樹。世尊納受。是事疾不。答言甚疾。女言。以汝神力。観我成仏。復速於此。

(訳) 爾の時に龍女一つの宝樹あり、価直三千大千世界なり。持って以て仏に上る。仏即ち之を受けたもう。龍女、智積菩薩・尊者舎利弗に謂って言わく、我宝樹を献る。世尊の納受是の事疾しや不や。答えて言わく、甚だ疾し。女の言わく、汝が神力を以て我が成仏を観よ。復此れよりも速かならん。

爾時娑婆世界。菩薩声聞。天龍八部。人与非人。皆遥見彼。【龍女成仏。】

(訳) 爾の時に娑婆世界の菩薩・声聞・天・龍・八部・人と非人と皆遥かに彼の龍女の成仏して、

普為時会。人天説法。心大歓喜。【悉遥敬礼。】無量衆生。聞法解悟。得不退転。無量衆生。得受道記。無垢世界。六反震動。娑婆世界。三千衆生。住不退地。三千衆生。発菩提心。而得授記。

(訳)普く時の会の人天の為に法を説くを見て、心大に歓喜して悉く遥かに敬礼す。無量の衆生法を聞いて解悟し不退転を得、無量の衆生道の記を受くることを得たり。無垢世界六反に震動す。娑婆世界の三千の衆生不退の地に住し、三千の衆生菩提心を発して授記を得たり。

智積菩薩。及舎利弗。一切衆会。黙然信受

(訳)智積菩薩及び舎利弗、一切の衆会黙然として信受す。

本日も長文を最後までお読み頂き誠にありがとうございました。

感謝 合掌🙏南無妙法蓮華

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