2021年10月1日FB投稿記事より

 

本日から十月に入りましたね!

皆様如何お過ごしでしょうか?

十月は神無月(かんなづき)と言い、

この月に日本中の八百万の神様が、出雲の国(島根県)に集まり会議を開き、他の国には神様がいなくなってしまうことから「神無月」と呼ばれてきました。

それでは今月の俳句を一句・・・

「 秋晴の 境内の音は 微塵かな」 野村喜舟( きしゅう)作

微塵(みじん)は、量や程度がきわめて少ないことを表現する言葉です。

さて今月の「御朱印・法華経二十八品の心」は法華経【授記品第七】をご紹介いたします。

前月ご紹介しました「授記品第六」の最後に於いて【我諸弟子 威徳具足 其数五百 皆当授記於未来世 咸得成仏 我及汝等 宿世因縁吾今当説 汝等善聴】「我及び汝等が宿世の因縁、我、今当に説くべし」とある如く、これから仏であるお釈迦様と成仏の予言である記別を授ける仏弟子たちの宿世の因縁を説くのがこの経なのです。「化城喩品」と言われるのは、この経の最後に法華経法華七喩の一つ化城宝処の喩えが説かれています。

化城喩品の大意・・・

三千塵点劫(さんぜんじんてんこう)という非常に古い昔、大通智勝如来(だいつうちしょうにょらい)という仏がおられました。この仏が成道されたという事を聞いた十六人の王子は父の仏所にまいり、法を説かれることを要請しました。そして、大通智勝仏が成道した時、十方の諸仏の世界が震動し日月の光さえも照らすことのできない所まで明らかとなり、その中の衆生が相互いにまみえることができるという奇瑞(きずい)*①があり、このような威光(いこう)照動(しょうどう)は十方の梵天(ぼんてん)の宮殿にも現れたため、梵天はこぞって大通智勝仏*②の説法を勧請(かんじょう)するに至ったのです。

さらに十六人の王子は如来の知見を志願し、出家して沙弥(しゃみ)となりまいた。大通智勝仏は沙弥の要請を受けて妙法蓮華経を説いたのです。かくして大通智勝仏は禅定(ぜんじょう)に入り、以後、十六人の沙弥菩薩(しゃみぼさつ)は長い間、法華経を多くの人々に示し、そしてその教えを聞いた多くの人々は生まれかわりながらして法華経の教えを信受して尽きることがなかったのです。

この十六人の菩薩は現在、仏となり、十方の国土で法を説かれています。東方世界には阿閦仏(あしゅくぶつ)と須弥頂仏(しゅみちょうぶつ)、東南方世界では師子音仏(ししおんぶつ)と師子相仏(ししそうぶつ)、南方世界では虚空住仏(こくうじゅうぶつ)と常滅仏(じょうめつぶつ)、西南方世界では、帝相仏(たいそうぶつ)と梵相仏(ぼんそうぶつ)、西方世界では阿弥陀仏(あみだぶつ)と度一切世間苦悩仏(どいっさいせけんくのうぶつ)、西北方世界では多摩羅跋栴檀香神通仏(たまらばっせんだんこうじんつうぶつ)と須弥相仏(しゅみそうぶつ)、北方世界では雲自在仏(うんじざいぶつ)と雲自在王仏(うんじざいおうぶつ)、東北方世界では壊一切世間怖畏仏(えいっさいせけんふいぶつ)を教主として教えが弘められたのである。そして第十六番目のお釈迦様はこの娑婆国土(しゃばこくど)の教主となられたのです。

今、仏の記別(きべつ)*③に会う人々は過去にこの法華経の教えを聞いた人々であり、それによってここで仏になれたのである。仏になるとはこうした一仏乗妙法(いちぶつじょうみょうほう)の教えによってこそできることであり二乗ではできないのとの事です。「化城宝処(けじょうほうしょ)の喩え」*④はこの一仏乗妙法の教えを知らしめんがために化城として二乗を説いた理由を述べたもので、私達の知るべきことは今、成仏するためには過去の因縁をわきまえることでもあるのです。

*①奇瑞(きずい):めでたき事の前兆として現れた不思議な現象のこ。

*②大通智勝仏(だいつうちしょうぶつ):

寿命は「五百四十万憶(まんのく)那由他劫(なゆたこう)」という長い年月でありました。那由他はインドの単位で千億のことで、その仏が成道する前、道場に坐して魔軍を降伏し終ってから禅定に入ったまま微動さえしなかった。そこで天上界の神々が菩提樹の下に師子座(仏の坐る座)を造り、梵天王たちは天上界の華を降らし、四天王の家来たちは鼓をうち、他の天人たちは天上界の音楽を奏でてその時を待った。そして十小劫を過ぎて大通智勝仏は最高の悟りを得ることが出来たのです。

*③ 記別(きべつ):仏が弟子に成仏する事を予言して記すことです。

*④「化城宝処(けじょうほうしょ)の喩え」・・・

三千塵点劫のその昔、大通智勝仏のもとで王子から法華経を聴聞して、深く心にその教えを刻んで、道心を発したことを「下種」という。後に退転したものの、中間において王子と共に転生をくり返して、小乗の教化を受け、インド成道のお釈迦様のもとで声聞の弟子となり、阿含(あごん)、方等(ほうどう)、般若(はんにゃ)の説法教化を受けて来たことを「調熟(ちょうじゅく)」といいます。

そして、今再び法華経を聞いて一仏乗に入り、授記されて成仏が決定することを「解脱」という。下種し、調熟し、解脱することを「種熟脱(しゅじゅくだつ)の三益(さんやく)」と呼びます。化城喩品はこの三益を説いた後、たとえを挙げて再説します。それが「化城宝処の喩え」なのです。

ここに五百由旬という険しい困難な道がある。この険しい道を宝を求めて進んで行く人々がいる。一行の中には先の先まで見通すことが出来る聡明な導師がいた。途中までこの道を進んでゆくと、一行のなかの弱い人が「とても疲れてしまい、この怖い道を進んで行くことができない。先はまだまだ遠いので、今から引きかえしたい」と言った。

この導師は心の中で思った。「この人たちはかわいそうな人たちだ。宝を捨てて引き返そうとしている」と。そこで方便の力を用いた導師は、道のりの半分より向こうに一つの幻の城を造った。導師は仲間に言った。「みなさん心配はいりません。引き返す必要はありません。この城の中に入れば休息できます。ここで休んでさらに宝を取りに行けばよろしいですよ」と。これを聞いた人達は大喜びでその城の中で休息した。すっかり疲れがとれたとみた導師は、この幻の城を消して「さあ宝はすぐ近くにある。だから元気を出して行こう。もうすぐその場所へ着きます。幻の城は一休みして気をとりなおすために自分が造ったものです」と言った。こうして一行を宝の場所に導いて宝を手に入れさせたのでありました。

今月の教えは🙏・・・

       在 在 諸 仏 土 

       常 与 師 倶 生

  (在々諸佛の上に 常に師と供に生ず)

この法華経の教えを聞いた人は、何度生まれ変わっても仏さまという素晴らしい師匠に出会うことができると説かれています。人生が幸せになるか不孝になるかは良き師匠に今生で巡り会えるかがとても重要です。皆様は来世も安心ですね♪

妙法蓮華経化城喩品第七🙏 抜粋

仏告諸比丘。乃往過去。無量無辺。不可思議。阿僧祇劫。爾時有仏。名大通智勝如来。応供。正知。明行足。善逝。世間解。無上士。調御丈夫。天人師。仏。世尊。其国名好成。劫名大相。諸比丘。彼仏滅度已来。甚大久遠。

訳: 仏、諸の比丘に告げたまわく、乃往過去無量無辺不可思議阿僧祇劫、爾の時に仏いましき、大通智勝如来・応供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊と名く。其の国を好成と名け、劫を大相と名く。諸の比丘、彼の仏の滅度より已来、甚だ大に久遠なり。

譬如三千大千世界。所有地種。仮使有人。磨以為墨。過於東方。千国土。乃下一点。大如微塵。又過千国土。復下一点。如是展転。尽地種墨。於汝等意云何。是諸国土。若算師。若算師弟子。能得辺際。知其数不。不也世尊。諸比丘。是人所経国土。若点不点。尽抹為塵。一塵一劫。彼仏滅度已来。復過是数。無量無辺。百千万億。阿僧祇劫。我以如来知見力故。観彼久遠。猶如今日。

訳: 譬えば三千大千世界の所有の地種を、仮使人あって磨り以て墨と為し、東方千の国土を過ぎて乃ち一点を下さん、大さ微塵の如し。又千の国土を過ぎて復一点を下さん。是の如く展転して地種の墨を尽くさんが如き、汝等が意に於て云何。是の諸の国土を、若しは算師若しは算師の弟子、能く辺際を得て其の数を知らんや不や。不也、世尊。諸の比丘、是の人の経る所の国土の、若しは点せると点せざるとを、尽く抹して塵となして、一塵を一劫とせん。彼の仏の滅度より已来、復是の数に過ぎたること無量無辺百千万億阿僧祇劫なり。我如来の知見力を以ての故に、彼の久遠を観ること猶お今日の如し。

我念過去世 無量無辺劫 有仏両足尊 名大通智勝

訳:我過去世の 無量無辺劫を念うに

  仏両足尊いましき 大通智勝と名く

如人以力磨 三千大千土 尽此諸地種 皆悉以為墨

過於千国土 乃下一塵点 如是展転点 尽此諸塵墨

如是諸国土 点与不点等 復尽抹為塵 一塵為一劫

此諸微塵数 其劫復過是 彼仏滅度来 如是無量劫

 訳:人あって力を以て 三千大千の土を磨って

  此の諸の地種を尽くして 皆悉く以て墨となし

  千の国土を過ぎて 乃ち一の塵点を下さん

  是の如く展転し点して 此の諸の塵墨を尽くさんが如し

  是の如き諸の国土の 点せると点せざると等を

  復尽く抹して塵となし 一塵を一劫とせん

  此の諸の微塵の数に 其の劫復是れに過ぎたり

  彼の仏の滅度より来 是の如く無量劫なり

仏告諸比丘。大通智勝仏。寿五百四十万億。那由他劫。其仏本坐道場。

訳:仏、諸の比丘に告げたまわく、大通智勝仏は寿五百四十万億那由他劫なり、其の仏本道場に坐して、

大威徳世尊 為度衆生故 於無量億歳 爾乃得成仏

諸願已具足 善哉吉無上 世尊甚希有 一坐十小劫

身体及手足 静然安不動 其心常憺泊 未曾有散乱

究竟永寂滅 安住無漏法 今者見世尊 安穏成仏道

我等得善利 称慶大歓喜 衆生常苦悩 盲冥無導師

不識苦尽道 不知求解脱 長夜増悪趣 減損諸天衆

従冥入於冥 永不聞仏名 今仏得最上 安穏無漏法

我等及天人 為得最大利 是故咸稽首 帰命無上尊

 訳:大威徳世尊 衆生を度せんが為の故に

  無量億歳に於て 爾して乃し成仏することを得

  諸願已に具足したまえり 善哉吉無上

  世尊は甚だ希有なり 一び坐して十小劫

  身体及び手足 静然として安じて動せず

  其の心常に憺泊にして 未だ曾て散乱あらず

  究竟して永く寂滅し 無漏の法に安住したまえり

  今者世尊の 安穏に仏道を成じたもうを見て

  我等善利を得 称慶して大に歓喜す

  衆生は常に苦悩し 盲冥にして導師なし

  苦尽の道を識らず 解脱を求むることを知らずして

  長夜に悪趣を増し 諸天衆を減損す

  冥きより冥きに入り 永く仏の名を聞かず

  今仏最上 安穏無漏の法を得たまえり

  我等及び天人 これ最大利を得たり

  是の故に咸く稽首して 無上尊を帰命したてまつる

 是諸沙弥等 知仏禅未出

 為無量億衆 説仏無上慧 各各坐法座 説是大乗経

 於仏宴寂後 宣揚助法化 一一沙弥等 所度諸衆生

 有六百万億 恒河沙等衆

 訳:是の諸の沙弥等 仏の禅より未だ出でたまわざるを知って

  無量億の衆の為に 仏の無上慧を説く

  各各に法座に坐して 是の大乗経を説き

  仏宴寂の後に於て 宣揚して法化を助く

  一一の沙弥等の 度する所の諸の衆生

  六百万億 恒河沙等の衆あり

 彼仏滅度後 是諸聞法者

 【在在諸仏土 常与師倶生】

 訳:彼の仏の滅度の後 是の諸の聞法の者

  在在諸仏の土に 常に師と倶に生ず

 是十六沙弥 具足行仏道

 今現在十方 各得成正覚 爾時聞法者 各在諸仏所

 其有住声聞 漸教以仏道 我在十六数 曾亦為汝説

 是故以方便 引汝趣仏慧 以是本因縁 今説法華経

 令汝入仏道 慎勿懐驚懼

 訳:是の十六の沙弥 具足して仏道を行じて

  今現に十方に在って 各正覚を成ずることを得たまえり

  爾の時の聞法の者 各諸仏の所にあり

  其の声聞に住することあるは 漸く教うるに仏道を以てす

  我十六の数にあって 曾て亦汝が為に説きき

  是の故に方便を以て 汝を引いて仏慧に趣かしむ

  是の本因縁を以て 今法華経を説いて

  汝をして仏道に入らしむ 慎んで驚懼を懐くこと勿れ

 見諸求道者 中路而懈廃

 不能度生死 煩悩諸険道 故以方便力 息為説涅槃

 言汝等苦滅 所作皆已弁 既知到涅槃 皆得阿羅漢

 爾乃集大衆 為説真実法 諸仏方便力 分別説三乗

 唯有一仏乗 息処故二説 今為汝説実 汝所得非滅

 為仏一切智 当発大精進 汝証一切智 十力等仏法

 具三十二相 乃是真実滅 諸仏之導師 為息説涅槃

 既知是息已 引入於仏慧

 訳:諸の道を求むる者 中路にして懈廃し

  生死 煩悩の諸の険道を度すること能わざるを見る

  故に方便力を以て 息めんが為に涅槃を説いて

  汝等は苦滅し 所作皆已に弁ぜりと言う

  既に涅槃に到り 皆阿羅漢を得たりと知って

  爾して乃し大衆を集めて 為に真実の法を説く

  諸仏は方便力をもって 分別して三乗と説きたもう

  唯一仏乗のみあり 息処の故に二を説く

  今汝が為に実を説く 汝が所得は滅に非ず

  仏の一切智の為に 当に大精進を発すべし

  汝一切智 十力等の仏法を証し

  三十二相を具しなば 乃ち是れ真実の滅ならん

  諸仏の導師は 息めんが為に涅槃を説きたもう

  既に是れ息み已んぬと知れば 仏慧に引入したもう

本日も長文を最後までお読みいただきありがとうございます。

感謝 合掌🙏南無妙法蓮華経

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