2020年9月1日投稿記事より

 

今日から九月に入りまいたが、でも暑い陽射しですね!

九月は長月(ながつき)と呼ばれています。長月の由来は、夜長月(よながつき)の略であるとする説が最も有力です。他にも稲刈月(いねかりづき)、稲熟月(いねあがりづき)が略されたという説もあり。寝覚月(ねざめつき)の別名もあります。

暑いのは台風の影響かもと思いますが❓、台風接近の沖縄地方の皆様、十分にご注意ください。

九月の俳句を一句

  縁側の 一番端の 月見かな 山口青邨作

*月見には十五夜のほかに、十三夜と十日夜があります。

本日の「歩かにゃわからぬ祈りの霊場」(身延山法華経二十八品経石めぐり)第二十二回は 七面山奥之院にあります「属累品第二十二」をご紹介致します。

経石に刻まれている言葉は・・・

「若し衆生あって信受(しんじゅ)せざらん者には 当に如来の餘(よ)の深法(じんぽう)の中に於て示教利喜(じきょうりき)すべし」 🙏 

意味として

法華経の教えを信じない者には、まず示し、教えて、実践させ利益を得て、歓喜させる。🙏

御神木を後に、奥之院に向かって歩き始めました。数年前、この道を逆に歩いていた時、真っ白いキノコを見て「森の妖精」かと思った事を思い出し、今日も出会えるかな?と周りを見ましたが、残念ながら出会う事が出来ませんでした。台風過の名残か?倒木に道を阻まれ、険しい狭い道を息を少し切らして登りました。

三十分程で「奥之院」に到着すると、正面には大きな縄が張られている「影嚮石(ようごうせき)」があり、七面様が現れた場所といわれ、この岩を七回周ると願いが叶うとも伝えられています。

毎年九月十七日に大祭が行われ、沢山のお参りがあります。

影嚮石の右側に富士山が良く見え絶好の撮影ポイントなのですが、写真を撮ろうと影嚮石にピントを合わすと富士山が写らず、富士山にピントを合わすと、影嚮石が黒くなり、両方を撮影出来ませんでした。午後からだと両方撮影できると教えて頂きました。

影嚮石を右に、正面に奥之院の本堂があります。ここは「影嚮社」とし、元禄十四年に建立され、延宝年間に日遥上人により建立されたと「身延山諸堂記」に記されています。本堂左手前に

「属累品第二十二」の経石があります。🙏

経石に書かれている意味は?

もし人々が仏様の教えを信じ受け入れようとしないならば、仏様の法華経以外の他の奥深い教えを示し、教えて利益を与えて喜ばしめよ、と説かれています。仏様は「乱れた世の中では、初めから難しい事を話しても、聴く耳を持たない人々がおります。そうゆう場合には、法華経以外にも、仏様が心を込めて説いた教えが幾つもあるから、その中で相手に適するものを選んで、示教利喜してだんだんと法華経の教えに入って行くのがよいでしょう」と、法座にいた方々に説かれました。この中で説かれている「示教利喜」の"示"とは、仏様の心持ちや教えは大体こういうものだと示すことです。そしてその中の細かい事を教え行くことが"教"であり、次に教えたことを実行させ、それによって利益を得ることを"利"と言います。つまり、教わった事を実際やってみなければ、自分の体験として何を得られるのか分かりませんし、当然利益も得られません。そして、教えを実行する中で、相手の役に立ち、相手の喜ぶ姿を見て自分も喜びを感じ、自然に仏様の教えが有難いなと思える様になってくる事を”喜"と言います。教える側であっても、教わる側であっても、この「示教利喜」という順序に従う事が大切なのです。

この順序を知られなかった筆者様は、以前仕事の同僚に「何で自分は、いつもこんなに苦しいとの?どうしてですか?」と聞かれた事があり、そんな時は「御題目を唱えたり、書いてみてね。本当に苦しいのは自分の心で、まずは自分の心が豊かでなければ、本当の幸せにはなれないと、お釈迦様や日蓮聖人は仰っているのです」と伝えます。しかし、すぐに実践して下さる方もいますが、そうではない方も多くいます。暫くしてから、もう少し自分なりに学んできた事を伝えるのですが、表面では聴いてくれていても、心の底から信じてくれない方は、「それをすると何か良いことがあるの?」とか「御題目唱えても、法華経の意味は分からない」という方もいました。「在家の私では無理なのかな、何で分かってもらえないのかな」と心を痛められました。

しかし、筆者様は「示教利喜」を知って気付かれました。分ってもらえない相手が悪いのではなく、自分には教えられるだけの知識・経験があるのだろうか?そもそも自分は相手にとって信頼できる人間であるのか?「示教利喜」の"示"の前に、もっと相手に寄り添い、話しを聞いて、一緒に泣いたり・喜んだり、「この人だったら」と思ってもらえるような人間関係を築く事が必要であったのではと反省されたそうです。

在家の自分だからこそ、分かってあげられる悩みがあり、共感出来る喜びがある。相手に伝える為の順番を学ばれと事で、改めて人間関係の大切さに立ち返る事が出来たとのことです。🙏

(みのぶ誌2016年1月号より引用致しました。)

本日も長文を最後までお読みいただきありがとうございます。

感謝 合掌 南無妙法蓮華経🙏🙏🙏