(イスタンブールの旅、その8)
イスタンブール滞在の3日目、午前中にグランドバザールと郊外のテオドシウスの城壁、カーリエ博物館を見たが、深夜の便で日本に帰らねばならず、つぎには、まだ行っていないアジアサイドに行くことにした。アジアサイドに行くには旧市街からボスポラス海峡を地下鉄で渡るマルマライ線があり、テオドシウス城壁までのトラム路線を逆に戻り、乗り場のシルケジ駅までやって来た。
シルケジ駅の傍には古い駅舎が残って居り、そこはかつて、あのアガサ・クリスティーの小説で有名な「オリエント急行」の発着地点であった。駅舎は、現在イスタンブール鉄道博物館になっている。時間は昼の12時半ごろになっていた。
(旧シルケジ駅。歴史を感じさせる建物である)
(外側からオリエント急行の待合室跡を眺める)
(オリエント急行を記念するプレートが埋め込まれている)
(1883年、始まった当時のオリエント急行の蒸気機関車。外に展示されていた)
(地図1、旧市街のシルケジ駅からのオリエント急行のルート。泊まったホテルのすぐ傍を通過していた。現在は使われていない)
(地図2、イスタンブールからパリへのオリエント急行のルート)
外側から駅舎の中に入ってみた。観光客程度しか人はおらず、ホームは閑散としていた。
(オリエント急行の発着したホーム。現在は使用されていないので、観光客がちらほら見える程度である。野良犬がホームにいた)
(ホームの左側。先ほど表から見た待合室跡があった)
(ホームを歩いている野良犬を撮影している観光客)
アガサクリスティーの「オリエント急行殺人事件」の映画(1974年)の有名な冒頭シーンを想像していたが、少し雰囲気が違っていた。
(映画「オリエント急行殺人事件」(1974年)の冒頭部分。この映画では、列車とホームが等しい高さだったが、実際には前の写真のように普通のホームだった)
(同上)
つぎに地下鉄に乗るため、メトロ・シルケジ駅入り口までやって来た。ここはボスポラス海峡を地下でつなぐマルマライ線の駅で、ここからアジアサイドの中心駅のカドキョイ駅まで行くことにした(地図3)。
(地図3、地下鉄マルマライ線。この線はシルケジ駅からボスポラス海峡の下を抜け、ヨーロッパサイドとアジアサイドの町々をつないでいる)
(地下鉄シルケジ駅の入り口)
(地下鉄シルケジ駅のホーム)
シルケジ駅から対岸のユスキュダル駅までの、ボスポラス海峡を横断する海底鉄道トンネルの部分は、2011年に日本の大成建設が完成させたものである。市の人口の3分の1が住むアジアサイドからの通勤の便など、ヨーロッパサイドとの経済的結びつきを強めるもので、トルコの国家を挙げての長年の悲願であった。
数10分してアジアサイドの中心地カドキョイに着いた。
(メトロ・カドキョイ駅を出て、近くのふ頭まで来た)
(ふ頭から眺めるマルマラ海)
(ふ頭から見える旧市街方面)
(望遠で旧市街の方を見るとアヤソフィアと、海峡に建てられた「乙女の塔」が見える)
(すぐ左には、これも望遠でブルーモスクが見えた)
カドキョイ駅前のふ頭から対岸の旧市街を見渡していて、いたく後悔した。ボスポラス海峡を行き来する船とモスクの塔が見える旧市街の風景がエキゾチックだったのである。映画「007ロシアより愛をこめて」にも出て来る有名なロケーションなのに、どうしてフェリーで渡らなかったのだろうと全く残念に思った。深夜に乗る帰国便の時間を考え、乗り場まで行くのが面倒だったからなのだが、今にして思えば、歴史的に幾多の人がこのヨーロッパとアジアの境を船で渡っているのに、景色も見ずに地下鉄で渡ってしまうなどとは、まったく野暮なことをしたと、今でも悔やまれてならない。
(映画「007、ロシアより愛をこめて」の1シーン。イスタンブールを舞台の一つとしている。フェリーでボスポラス海峡を渡るシーンだが、ジェームスボンドの肩越しに白く小さく見えるのが「乙女の塔」)
ふ頭からの景色を楽しんだ後、アジアサイドの見どころの一つ、魚市場周辺に行くことにした。午後2時近くになっていたが、まだ昼食も摂っていなかった。
(ふ頭から魚市場に向かうところ)
道を横断する地下道を通り、魚市場周辺に行って見た。近くの路地にレストラン街があり、海鮮料理が食べられる店を見つけてそこに入ることにした。
(魚市場傍のレストラン街、ネット写真)
(昼食がまだだったので、海鮮料理の店に入った。店から見えた通りの風景)
(最初に注文したのは新市街でも食べた定番のムール貝料理の「ミディエドルマ」)
(つぎに来たのは、名前は不明だがフライした牡蠣の串刺し。タルタルソースをつけて食べる。これがとくに美味しかった)
(同上)
(最後に来たのが名物の「サバサンド」。この旅で初めて食べた。定番の料理はこれで全部食べたので、とりあえず満足)
食事の後、近くの魚市場までやって来た。細い路地に鮮魚の店が並び、町の人たちが買い求めていく。イスタンブールの日常生活が垣間見える場所で、旧市街のバザールには見られない庶民の日常生活があった。
(魚市場の細い路地に並ぶ鮮魚商の露店。地元の人で賑わっている)
(同上)
(同上)
(鮮魚商の向かい側には野菜・果物の露店が出ている。息子が眺めている)
(同上)
アジアサイドは、観光地や行政・文化の中心のヨーロッパサイドとは異なって、庶民の日常的な生活の場という印象を強く持った。肩の力が抜けてどこかリラックスできる所であった。
今夜の帰国便のこともあるので、もう他は回らず、2時間ほどで滞在を切り上げ、また地下鉄を使って旧市街に戻ることにした。
(続く)































