家族が病気のため、昼と夜の食事はほとんど私が作っている。
同居の義母は95歳の高齢であるが、今まで病気になったことも入院したことも一度もない。頭ははっきりしており、足腰が弱った程度で普通に生活できている。介護とは無縁なので助かっている。
ただ、昨年秋に実弟(私にとっては妻の叔父)が亡くなり、元気がなくなってしまった。併せて急に食が細くなり、見た目にも体力が落ちてきている。今まで私が作った料理でも、好みでなければあまり箸を付けない。これではまずいと思い、妻と相談しながら、少しでも食べられるものをと料理を考え直したりしている。
今好んで食べられるものは、昼は私の作ったおにぎり(ブログ「おにぎりの美味しさ」)と、夜はお刺身と茶碗蒸しと「中華風トマト卵炒め」などである。中華炒めは中国家庭料理の定番で、正式には「西紅柿炒鶏蛋 」(シーホンシーチャオジーダン)と言うようである。刺身と茶碗蒸しはスーパーで買ってきてしまうが、「中華風トマト卵炒め」は簡単に作れるので最近頻繁に作っている。
(切ったトマトに砂糖と塩少々と紹興酒を入れて下味をつける)
(卵に砂糖と塩少々、紹興酒と鶏がらの素を入れる)
コウケンテツのユーチューブを参考に、アレンジして作っている。
私の作り方(4人分)は、トマト(中3個)は乱切りにしてボールに入れ、そこに砂糖(大さじ1)と塩(少々)と紹興酒(大さじ1)を入れて下味をつける。卵(5個)は別のボールに割って入れ、そこにも砂糖(大さじ3)と塩(少々)と紹興酒(大さじ1)、それから鶏がらスープの素(小さじ1)を入れよくかき混ぜておく。
(フライパンでトマトを炒める)
(トマトの皮が剥がれてきたら、トマトピューレ少しと水溶き片栗粉少々入れる)
調理道具は2つ用意する。一つは普通のフライパンで、もう一つは中華鍋である。まずフライパンでトマトを炒める。熟したものとそうでないものは酸味が違うので、熟さないものの場合には砂糖を余分に入れて酸味を和らげ、うま味を増すためにトマトピューレを少し入れる。熟したトマトの場合にはそのままであるが、ともに水分が余分に出てしまうので、最後に水溶き片栗粉を少量入れて水分を消す。炒めの目安はトマトの皮がめくれあがってくるまでである。
(中華鍋の高温の油で溶き卵をさっと炒める)
(直ぐに作っておいたトマトを入れる)
(混ぜ合わせて完成)
次に中華鍋で卵を調理する。ふんわりさせるには多めで高温の油がよく、大さじ4程度のゴマ油を入れ、熱々になるまで待つ。以前は卵を入れる前に刻んだネギを入れてネギ油状態にしたが、義母はネギが食べられないと言うので、今は卵だけで半熟状態になるまで鍋の中でかき回す。その状態の段階で、フライパンで炒めておいたトマトを移し入れ、とろとろの状態を残して完成である。
準備し始めてから、15分もあれば出来上がる。
(今晩のおかず。他に鶏むね肉のゴマドレとかぼちゃの煮つけ、白菜の漬物)
今晩もまたこれを作ろうと思っている。近所の野菜直売所のトマトは地元農家のもので美味しく、人気がある。今から買いに行くところである。
「美味しい」というものが無くなったら「生きる力」も無くなってしまう。長年苦労を掛けてきた義母にせめてもの親孝行と思っている。