私が確か30代半ばの頃だ。転勤と同時にチームリーダーがいなくなり、私は初めての職場でやったことのない仕事のチームリーダーとなった。

本来ならば、サブリーダーとしてチームリーダーに仕事を教えてもらいながら、なんの苦労もなく仕事をしていけるはずだったのに‼️だ。

しかも前任のサブリーダーは、転勤した先でメンタルとなり連絡が取れなくなった。八方塞がりとはこのことだ。

色々あったが、そんな中で私が1番印象に残っているのはSくんの暴言だ。

チームの中には、何十年もこの担当一筋の58歳の女性がいて私は20歳以上歳下ながら彼女の上司になった。

彼女は右も左も分からない私の事を

「お嬢ちゃん」と呼びバカにした態度を隠そうともしなかった。

仕事が分からない上に20歳以上も歳上の同性だ。名前だけのリーダーの言うことなど聞いてもらえるはずもなく、わがまま放題の彼女をどうしたらいいのかと途方にくれていた私に、同じ時期にチームに入った2歳歳下のS君が声をかけてきてくれた。

「リーダー大変ですね。同性だと指導しにくいでしょ?僕が代わりに注意しましょうか❓」

私は、そのS君の言葉に感激して、

「ホンマに⁉️良いの⁉️」

と涙をながさんばかりに喜んだ。

S君は満面の笑みで

「もちろんです‼️まかせてください‼️」

と力強くうなづき、私もうなづき返した。

そのすぐ後に事務室に入ってきた58歳の女性に、S君はつかつかと近寄りいきなり

「おい‼️ババア‼️」と言ったのだ😱

長い人生で、血の気が引くことは多々あるけれど、いまだにあの時の衝撃を忘れたことはない。

私は、本来、自分がすべき事を安易に他人に委ねようとした事を心の底から反省し、以後、どんなに嫌な役割であろうとも、それから逃げる事がなくなったのだった。