私の友達で可愛くて性格もいいKちゃんという女子がいる。出会った時には彼女はまだ20代だった。
もう30代半ばだった私は彼女を眺めては【キラキラしてるなぁ】と思っていた。
完璧なのに誰かと付き合っている様子もなかったので、素敵な人と幸せになって欲しいと思った時期もあった。
それは他の人にとっても同じだったようで、当時50代半ばだったアルバイトさんは
「あんないい子に彼氏がいないなんて勿体無い‼️」
と鼻息も荒く叫んでいた。
今思えば、本人にとっては、ありがた迷惑だったに違いないのだが、時代と世代が違うのでアルバイトさんは本当に100%の善意でそう思っていたのだった。
ある日、そのアルバイトさんが
「めちゃくちゃ良い人を見つけたねん。この間行ったお好み焼きやさんの大将でね!まだ若くて男前で感じのいい人なんだよ!Kちゃんが気にいるかどうか分からないからお客さんとしてみんなで食べに行こう!」
と前のめりな感じで言ってきた。
その勢いに負け、Kちゃんを含めたお昼を一緒に食べているメンバーでそのお好み焼き屋さんに食べに行く事になった。
確かにまだ新規オープンしたばかりだというお店は小さいながらもお洒落で、若い大将もイケメンで感じがよかった。
アルバイトさんは
「イケメンなのにまだ独身なんですよね。」とグイグイ質問をしながら、Kちゃんに小声で
「どう?どう?」と目配せして彼女を困らせていた。そのKちゃんを含め、テンション高めのアルバイトさん以外の全員の目がその時点で泳いでいた。
嫌な予感がする…阿吽の呼吸で全員で強引に話を変え私たちは、その店を出た途端アルバイトさんに詰め寄った。
「あの、まさかと思うけど大将と知り合いじゃないの⁉️」
「もちろん!今日が2回目。」
「彼女探してるとか言われてないってこと⁉️」
「言われてないけど、彼女いるんですか?って言ったら、モテないんでって言ってたからいないでしょ」
「いや、あの店にいたの彼女でしょ⁉️😱
そもそも客商売でモテないんでとかリップサービスやん‼️」
アルバイトさんは
「ええーつ⁉️」
といいながら、
「いい男だと思ったんだけどなぁ」とブツブツ言っていたが、私は自分も含めて余計な事はしないでおこうと肝に命じ、Kちゃんは今も独身を謳歌しているのだった。