私の友人はイタリア人と結婚した。

お洒落で可愛くて情熱的な彼女なので、イタリア人との結婚は意外ではなかったのだが、私が意外だなと思ったのがイタリア人が割と細かい事を気にする性格だった事だ。

そのイタリア人が手術をすることになった時の話だ。病名は忘れてしまったが、病院から手術の前に

麻酔がちゃんとかかりやすいように伸ばしていた自慢のヒゲを剃るように指示があった。

すると、イタリア人は、激怒してカタコトの日本語で

「髭をそらないと手術が出来ないのはその医者の、腕が悪いからだ。髭があっても成功させる医者を見つけるべきだ」と、まくしたてたのだという。

それを聞いたとき、私はイタリア人ってすげえーっと思った。

これから命を預ける先生に向かって、腕が悪いなんて口裂けても言えない😱

っていうか、髭なんてまた伸ばせばいいじゃないか!イタリア人ってもっとおおらかな性格だと思ってたよ。

その横でその会話を聞いていた妻である生粋の日本人である友人は

「日本のやり方に文句をつけるならこの手術が失敗しても私は文句は言わへんで!なんなら失敗すればいい‼️」と言い放ち、彼は納得いかないまま、結局自慢の髭を剃ることになったらしい。

私がイタリア人はおおらかだと言うのには根拠がある。その昔、音楽大学で声楽を学んでいた友人がオペラの本場フィレンツェに旅行行った時、普通サイズの友人だけではなくマツコデラックス級のもう一人の学生にたいしても出会う全てのイタリア男性が四六時中賛美の言葉を浴びせてきたと言っていた。

「もう自分の容姿がイタリアに着いた途端変わってるんじゃないかと思ったぐらいやったわ。自動扉でさえも『美しい君たちのために扉をあけたよ❤️』って!さすがに心の中で自動扉やん‼️って突っ込んけど。」

女性であれば褒める、扉であれば開けるといったおおらかな国民性だとずっと信じてきたのに、やはり朱に交われば赤くなるって事なのか?

答えは出ないままなのだった。