私が師事していた日舞の師匠は南座で襲名リサイタルを開催したほどの凄い人なのだが、その幼少期の話を聞くと、そもそもの産まれが違うのねと思い知らされる。

京都の哲学の道のほとりにあるお屋敷では、幼少期には家族よりも使用人の人数の方が多く、師匠には乳母がついていて身の回りのお世話は全てその人がやってくれていたらしい。

驚くのはその乳母が、おっしょさんが東京の大学に進学した時も一緒に東京についていき、さらには嫁ぎ先にもついていった事だ。

そして、90歳を過ぎても乳母を続けていた。

もちろん、それなりの歳でそろそろお暇をという話は出ていたようだが師匠が許さず、ついには何もしなくていいからと乳母の為に新たにお手伝いさんを雇うというなんだか本末転倒な事になっていたらしい。

その間に、師匠には子供が3人生まれ結婚して孫まで出来、乳母の家族が師匠を説得して今は静かに余生を過ごしておられるとの事。

そう!90歳を過ぎても必要とされている事を素晴らしいと思いながら、前回かいた友人と一緒でいい加減に休ませてあげてー😱と思った私なのだった。