毎月一度、認知症の母をつれて病院に通っている。


いつも、主治医の先生は毎回

「今日は何月何日何曜日?」と聞くので、母は待合室で

「今日は何月何日やった?何曜日やった?」と何度も私に確認しては、忘れないようにブツブツと繰り返していた。

それなのに!だ。その日に限って先生は全くその質問はせずによく眠れているか?食べているか?を聞いただけであっさり診察が終わってしまった。

あんなに一生懸命練習していた姿を見ていた私は、母が不憫で仕方がなかった。

「先生ひどいと思わん?」と私が友人にその話をすると最近まで脳梗塞でリハビリを受けていた友人は

「先生も大変やねんで。私の病院でも先生がおじいちゃんに質問してたけど

『花の間をヒラヒラ飛ぶ美しい模様の昆虫はなんでしょう?』って質問されて『かまきり』って答えに

『うーん、違いますねぇ、ヒラヒラ飛ぶやつですよ』と先生が両手をパタパタすると『かまいたち‼️』って自信満々に答えてたわ。それ妖怪やん!もう昆虫ちゃうやん』

私がゲラゲラ笑ってると友人は

「こんなん序の口や。ある時は、『サザエさんの家族分かりますか?サザエさんの旦那さんはマスオさん、弟はカツオ、じゃあ妹は?』って質問に『たらこ‼️』って答えとってん。私は吹き出したけど先生は絶対笑えへんねん。すごくない⁉️『たらちゃんは子供ですね。たらおっていう男の子ですね。女の子ですよ。海の中でユラユラ揺れてるやつですよ』って丁寧に聞いてるねん。そんなんワカメなんて答え一生でてけーへんわ」

その話を聞き、日々そんな人達の相手をしている先生に感謝しなければと反省した私だった。