認知症を患っている母は、亡くなった父や亡くなった猫と毎日話をしている。
なので、父と話をしたいなぁと思ったり、今猫がどうしているかなぁと気になった時は母に聞くことにしている。
この間も新しく猫を2匹もいっぺんに迎えてしまったので亡くなった猫がやきもちを焼いていないかと気になったので母に
「風太(前の猫の名前)何か言ってた?」と聞くと「『気にしてない。しょうがないと思う』って、言ってたで。だから、どんな猫が来てもあんたが一番なのは変われへんねんから。って言っといたった」
「それ聞いて風太何か言ってた?」
「『わかってる』って言ってたで』
と言った。
辻褄もあってるし私に対する気遣いさえ感じられる素晴らしい回答だ。
問題なのはそれが母の妄想なのか私を気遣ってなのかが分からないところだ。
妙な信憑性があるのは父がどう言っていたか聞くとたいてい「笑ってた」というところだ。
妄想ならば毎回何かしら父がいいそうなものなのに
ほぼ喋らないのだという。
珍しく父からの伝言がある時は
『仏壇を掃除してほしい』とか『花を飾ってくれて嬉しい』と言うところも妙な説得力がありいつも
母の認知症度合いを図りかねる私だった。