子供は純粋無垢で常識にとらわれないから、見えないものが見えたり、聞こえない声が聞こえたりすると聞いた事がある。
痴呆がすすむにつれ母が子供のようになっていくなぁと思っていたが、いよいよその境地に達して来ている事がこのほど判明した。
母とは別居しているので、毎晩かかさずビデオ通話をしている。父はもう15年ほど前に亡くなっているのだが
「仏壇に向かってお父さんに色々話をきいてもらうねん。」という母を最初は、なんとも思わず、むしろ微笑ましいとすら思っていた。
帰れる時はなるべく実家に帰るようにして、お墓と仏壇に花と線香をそなえて
「私のいない間、お母さんの事をよろしくお願いします」と声高らかにお願いをしていた。
すると、母は
「お父さんがお花とお水をそなえてくれてうれしいって言ってたよ」
と次の日電話で必ず私にそう言うのだった。
その時も、母が嬉しい気持ちをあらわすために、そんな風に言ってるんだなと思っていた。そういう風にまだ気を使えるのだとむしろ安心材料にしていたのだ。
しかし、だんだん父との会話の話が多くなってきた頃から引っかかる事が多くなって来た。
「お父さんが雑草が気になる」と言っていたとか、「お父さんが片付けて欲しい」と言ってるとか父の言葉を私に伝えるようになって来たのだ。私が「お父さんはお母さんにもっと頑張れって言ってたんちゃう?」というと
「いや、お前は充分頑張ってるって言ってた」と即座に返してくるところなどは、怪しいのだが、「おじいちゃんとおばあちゃんが出て来てたけど黙っていた」といったりするのを聞くと、もしかして亡くなった父の声は母に聞こえているのか⁉️と思ったりもするのだった。
極め付けは、この間旅行先で2人でエレベーターに乗り込もうとした時、母が
「あれ❓今誰か先に乗れへんかった❓」と言った事だ。ついにここまで😱
母は私達にみえないものも、視えだしたのか⁉️進化し続ける母から、いろんな意味で目が離せない今日この頃である。