痴呆症の母と九州の大分に旅行に行ってきた。少しでも刺激を与えて病気の進行が遅くなればいいとの思いと、毎日母の面倒をみている弟家族に束の間の休息をと思っての事だ。しかし、痴呆症の年老いた母との二人っきりの旅行はしょっぱなからつまずいた。前日の夜になって母が突然行きたくない‼️と言い出したのだ。体調が悪くなったのなら分かるが、何を突然言い出すねん⁉️と全員が母を説得にかかったが大泣きするばかりで途方にくれた。と思えば当日は朝の4時から叩き起こされ

「早く早く‼️」と予定より4時間も早い電車で九州へ向かうこととなった。万事がこんな調子なので恐ろしくて新幹線の指定席など取れるものではない。

とりあえず泊まるところだけを確保したら、後は行き当たりばったりの旅なのだった。

しかし、そんな私達を神様が不憫に思ってかお天気にも恵まれ、一年に一度の春の風物詩、タデ原湿原の野焼きを見ることができた。

枯れ草が焼かれて一面真っ黒に。そこから植物が芽吹き一面の緑になるんだとか。

絶景に感動し、その後、ホテルで温泉も堪能して部屋に帰ろうとすると、そこに見たことのない他人のナイトキャップを被った母がいた😱

ぎゃあぎゃあいいながら、浴衣とナイトキャップを脱がして逃げるしかなかった。母との二人旅はインディジョーンズなみのスリルと冒険に満ちている。