どこにでもセーフティゾーンという所があるはずだ。突然の来客の時に、部屋の中に散乱している物を全てそこにぶっこむスペースだ。

今、実家を片付けているが、実家のセーフティゾーンは長年いらないものをその中に入れ込んでいるうちに中に入れないほど部屋の中がいっぱいになってしまっていた。

足の踏み場もなく、物が山と積み上げられたその部屋を見てゾッとした私とは対照的に母はのほほんと「昔、あんたの従兄弟のKちゃんが子供連れてきた時、ここ締め切ってたら子供が『僕、なんでここを閉めてるか知ってる』って言い出してさ」と呑気に昔話を始めた。

その時、母は

「知ってるの?知ってたら絶対開けたらあかんで」と言うと、子供は

「分かってる!僕のうちにもこんな部屋あってな。満員やねん。絶対開けたらあかんねん」と言ったらしく、子供はなんでもよく見ているなぁという話になったのだという。

それで思い出したのだが、当然私の家にもセーフティゾーンは存在しており、友達が遊びに来る時などはそこに物を詰め込んで閉め切っていた。

しかし、当時、我が家には子供はいないが猫がいて

どこからかスタスタと歩いてきたかと思うと日頃開け放しているはずの扉が閉まっている事に興味を示し友達の前でススーッと引き戸を開け放って中に入っていくのだった。

「いやーっ😱みた?中みた?」

ちょっとお洒落な空間で家飲みを楽しみたいと頑張って準備したリビングが台無しになるようなグチャグチャな空間が垣間見えて慌てて扉を閉めてアハハ😅💦💦💦と笑ったあと、

「ワインあけようかーっ🍷」と誤魔化したのも束の間、特に興味をひくものがない事がわかった猫がまたもやセーフティゾーンの引き戸を開けっぱなしたまま出て行き、我が家の恥部がさらされっぱなしになったのだった。

子供と動物には勝てない。というより日頃から片付けておけばいいのだ。しかし、いまだ我が家のセーフティゾーンは健在なのだった。