京都に八坂神社いう有名な神社がある。
全国にある祇園社の総本社でたくさんの人で賑わっている。私は八坂神社にはよく参拝するのだが、いつ行っても結婚式が行われていて、それがまた美しいうえに、幸せのお裾分けを頂けてラッキーな気分になる。
結婚式や祈祷に出会うのは、神様からの歓迎のサインだというのをよく聞くが、八坂神社はほぼ一日中何かしらやっているので、そういう意味でもお得感があって私は好きなのだった。
今日、京都で日舞の発表会があった。全く上手にならないまま本番を迎えた私は前日まで『何を血迷って舞台に立つなどと言ってしまったのか⁉️』と頭を抱えていた。そして当日出した答えは【神頼み】だ。そうだ!もう神様に頼むしかない!たまたま、舞台が八坂神社に近いこともあり私は雨の中を神社に向かった。鳥居をくぐるとドーンドーンといつもように太鼓が聞こえてきた。今日もやっぱり結婚式が行われているのかなぁと思いながら本殿に向かうと雨だというのに本殿の周囲にロープが張られ凄い人だかりが出来ていた。「⁉️」その前を静々と平安時代の人のような服装をした男の人達が和傘をさして本殿の中に吸い込まれて行く。よく見るとTVと思しきカメラが何台も設置されている。『今日は何⁉️』私の疑問に答えるように雅楽が鳴る中「ただいまから新嘗祭を執り行います」というアナウンスがあった。
ええっ⁉️神様‼️私のお願い事は⁉️バチ当たりな事に私はショックを受けて恨めしく本殿を遠くから眺めた。祝詞が奏上されその場にいた全員が神様に今年の実りに感謝を捧げているなか、私だけは「神様!今はそれどころじゃないとは思いますが、今日の踊りで失敗しないようにお守りください。お忙しいとは思いますが、こちらも切羽詰まっております」と祈りを捧げていた。
ちなみに、本番はどうだったかというと、致命的なミスはなかったが、観に来てくれた友達には
「あんた振り半歩遅れとったで。」と指摘され実力はきちんと露呈する結果になった。
なのにこの期に及んで『あの時、実力以上が出せますようにとか、みんなの脳内映像を操作してくださいとか頼むべきだったか?』と自分の練習不足を棚に上げて罰当たりな事を考える私なのだった。