社会人になった時の先輩達との忘年会があった。
その頃上司だった先輩達はみんな、役職定年をしているので呑気なものだ。
先輩達が役職定年をした代わりに部下を持たねばならない身となった私に先輩は
「アドバイスする事は二つだけ。
約束は守られない。日本語は通じない」
と謎のフレーズを投げかけてきた。
「どういう事ですか?」
言ってる事がよくわからず、キョトンとした私に先輩は笑いながら
「約束は絶対守ってもらえるなんて甘い!だから約束が破られた時の事を考えておく。そして、人間は自分の都合よく解釈するって事を覚えておく。
だから日本語の通訳になって伝える事が大事。」
と言った。
そういえば、この上司は社会人になったばかりで、失敗続きで落ち込む私に
「一番大事なのは命やろ。ワシらの仕事に命に関わるような仕事ないんやから。気にすることは何にもない‼️失敗して死ぬんか?死ねへんやろ?」と壮大なテーマで慰めてくれた人だった。
そして最後に
「まぁ、そう思ってたら腹もたたずに自分も幸せでおれるってこっちゃ」とにやりと笑ったのだった。