もう20年以上昔の話なのだが、沖縄県にある、はいむるぶしというリゾートホテルに泊まった時の事だ。当時から、とても人気のホテルで一度でいいから泊まってみたいと思っていた憧れのホテルだった。
憧れてはいたが、下調べなどは一切しておらず、私は他人の『素晴らしい』『素敵すぎる』という口コミだけで、沖縄に飛んだのだった。
お天気にも恵まれ、大自然に囲まれたはいむるぶしでは、青い海!青い空!と絵に描いたような景色にテンションがあがった。まさに楽園そのものだと私は本当にきて良かったと思った、そう夜寝る間際までは…。気にはなっていたのだ、ホテルの部屋に置かれたメモ。そこには
『時々ヤモリがお部屋に遊びにきます。仲良くしてね』とニッコリ笑ったヤモリの絵が描かれていた。
しかし、誰が窓の外ではなく部屋の壁を歩くなどと思うだろうか?仲良く⁉️仲良くなんて出来ない‼️
私はベットのそばの壁に当たり前のように歩いているヤモリから目を離す事が出来ないまま夜を過ごした。なぜなら、どこに行ったかわからないほど恐ろしい事ははないからだ。もし、ベットの中に入って来てしまったらどうするのか?とにかく、ヤモリの位置だけは把握しておかねばと私はベッドから掛け布団だけをとってソファの上に陣取った。
寝れないと思ったがそのままアッサリ眠ってしまった私はコンコンと窓を叩く音で目が覚めた。
なんだろう…?私は眠い目をこすりながら、閉めていた分厚いカーテンを勢いよく開けた。
するとそこには、二羽の孔雀がいた。
しかも、二羽の孔雀は私を見るとバサーッと羽を開いたのだ!
私は驚きのあまり思わずカーテンを閉めてしまった
求愛⁉️朝っぱらから求愛か⁉️
閉めた窓がまたコンコンと叩かれる。そおーっとカーテンの隙間から覗くとその音は孔雀がクチバシで窓をたたく音だった。
今はどうだか知らないが、はいむるぶしは色んな意味で楽園を体感できるホテルだった。