芸能人がよく誕生日にサプライズでケーキやプレゼントを貰っていたり、一般の人でもお店の電気が突然消えて花火がついたケーキがハッピーバースデーの歌とともにはこばれて来たりする場面に立ち会うと思い出す苦い出来事がある。
それは、忘れもしない結婚して初めて迎える誕生日だった。その日はたまたま日曜日だったが夫は仕事だったため、私は家でのんびりとテレビを観ていた。時間は10時ぐらいだったのではないかと思う。突然玄関のチャイムがなった。
荷物が来たのかな?と私は特に何も思わず玄関まで行き覗き穴を覗いた。
「‼️」
そこにうつっていたのは、あろうことか夫のご両親だったのだ。
家は荒れ放題で、今着ているのは寝巻きだ!
一瞬、居留守という文字が浮かんだが、1時間半も車を飛ばして来たのだろう事を思うと、流石にそれは出来ずに私はチェーンを掛けたまま、そーっと扉を開けた。
「どっ、どうしたんですか?」
なんせ寝巻きなので扉を全開にする事は出来ない。
そんな失礼な態度にも気を悪くした素振りも見せず義父と義母は満面の笑みで
「お誕生日おめでとう‼️」とプレゼントを渡してくれようとした。
まさかのサプライズ突撃訪問に私はクラクラしながら必死でそれを止めながら
「ちょっ、ちょっと待ってください!すみません!
車で待っててもらってもいいですか⁉️」
と言って返事を待たずに扉を閉めた。
そして速攻で着替えと化粧をして財布を持って家を出るとマンション前に停めてあった義父の車にそのまま乗り込んだ。そしてそのまま有無を言わさず近くのファミレスに2人を連行した。
その事があってからご両親が我が家に来る事は二度となかったが、毎年忘れずに誕生日プレゼントだけは郵送されてくる。その度に申し訳ない気持ちになるのだが、あれほどビックリした事もなかったのでそういう意味ではサプライズは大成功だったと思う。