10年ほど前、まだ田舎の祖父母が90歳を超えて存命で、母は介護のために田舎に帰っていた時の話である。
歳を取ってから誕生日にこだわるようになった事は前回書いたが、この頃既にその兆候が見えていた。
とりあえず電話の一本でも入れておこうと、母の誕生日の夜に電話をかけると鼻息あらく電話に出た母は
「聞いてよ!今日、私宛に〇〇(姪っ子)から手紙が届いてん。今日誕生日やから当然お祝いのメッセージやと思うやん?しかもちょっと分厚かったからなんかプレゼントでも入ってるんかとウキウキして開けたら何が入ってたと思う⁉️」
母の剣幕からしてあんまり嬉しいものではなかったのだろうとは想像できたが、もらえるだけありがたいではないかと思いながら
「何が入ってたん?」と聞いたら
「おばあちゃんのよれよれのパンツや‼️先週遊びに行った時に間違って持って帰ったので送りますって‼️わざわざ誕生日に送ってくるか⁉️」
思わず吹き出したが、特に姪っ子に日ごろ何かをしてあげてるわけでもないのに、当たり前のようにわざわざ誕生日に何かをもらおうとしているのはどうなのか?と思ったが、とばっちりが怖いので
「ほんまやねー」と適当に流して早々に電話を切った私だった。