私は思い込みの激しい女だ。
以前夫に車に乗せてもらってクリーニングを出しに行った時のことだ。駐車場がなかったので、店の前で車から降ろしてもらい夫にはそのまま車で待機してもらうことにした。所要時間は5分程度だったと思う。店から出て私は何も思わずに店の前に停まっていた車に乗り込んだ。そしてシートベルトを締めようとしてふと運転席をみると知らない男の人が座っていた。
私もびっくりしたが、運転席に座っていた人の顔は文字通り【驚愕】していた。
その時になって、私は自分が全く違う車に乗っていることに気がつき慌てふためいて「すみませんすみません」といいながら転げるように車を降りた。夫の車はいつのまにか前に移動していた。
「なんで移動しているんよ!びっくりしたやんか」
「俺かってバックミラーを見ていたらお前が後ろの車に乗り込んだからびっくりしたわ」
「移動していると思えへんから、家の車やと思うやん」
「いやいや、色も形も違うし普通わかるやろ」
そういわれて初めて乗った車の色と形が違ったのだと知った私だった。
また友達3人で薄暗いバーで飲んでいた時には、帰る時にナチュラルに隣の席の背もたれにかけてあった全然別のグループの人のジャケットを羽織って帰りそうになり
「あっそれ私のジャケット・・・」と呼び止められ
自分が座っていた席をみるとそのまま私のジャケットがかかったままになっていて冷や汗をかいた。一緒にいた友達にも
「なんでわざわざ隣の席の人のジャケットをとりにいくねん!?そっちの方が不自然やろ!」
と散々責められたが返す言葉もなかった。
職場でお昼休みに和室の休憩室から戻る際に履いてもどった靴が別の人の靴だったこともある。色は同じだが、サイズが少し小さくて、なんかキツイなーと思ったのだが、午後になって足がむくんだのかなと思いながら履いていた。靴がなくなったと大騒ぎしていたのが同じ部の女性社員だったので、一緒に探そうと思って休憩室に行くとそこに揃えられることもなく、休憩室に向いて上がったままの私の靴が残っていた。戻るときにたまたまキチンと揃えられた同じ色の靴があったので履きやすい方を履いてしまったらしい。
「思い込みが激しいというよりはあんたは注意力散漫なんや!」と友達に言われて、そういえば小学生の時の通信簿には判で押したように担任が変わっても変わることなく
「注意力散漫です」とかかれていた事を思い出す。年季が入った私の注意力散漫な所はなかなか治りそうにはないが、ここに最近物忘れが加わってきた。もう少し注意深く生きた方がいいかもしれないと思う今日このごろだ。