目が合ったその瞬間だけ、
時が止まったかのようになる。
俗に言う一目惚れである。
時を止めるイケメンと、
空腹を満たすことの出来なかった私の話。
毎朝仕事前にセンター街のコンビニでその日の昼御飯を買って出勤していた。
その日、私は家で朝ごはんをしっかり食べてこなかったので、
「仕事前コンビニでファミチキ買って職場で食べよー」
と、思っていた。
コンビニに入って、昼に食べるおにぎりと、飲み物を選んで、
朝の混んでいるレジに並んだ。
私は朝はいつも眠いのでアンニュイな感じで、レジ横のガラスケースの中のチキンを見ながらどれを食べようかなー。やっぱファミチキかなーと思いながら、列で待っていた。
「次にお待ちの方こちらのレジへどうぞー!」
二つあるレジで片方が空いたので、
そのレジに、進むと、
さすがギャルの聖地、渋谷!!!!!
めちゃめちゃ顔の整ったギャル男の店員さんやないか!!!!!
正直そこらへんのイケメン芸能人よりイケメンだった。
ええーーーーーー!!!!!!!!
さっきまでのアンニュイ感全て飛んで
心臓バクバクである。
やば!!!!めっちゃイケメンや!!!!
私の時間は止まっている。
イケメンギャル男は、せっせとレジを進めていく。
心の中で一生懸命ファミチキと言いたいのだが、言えない…!!!
ピッピッと手際良くレジを進めるイケメンギャル男。
ファミチキ!!
その一言が言えない。
美しいその姿。
ファ、ファミチキ!!
私の朝ごはん!!
爽やかなイケメンギャル男。
は、恥ずかしくてファミチキなんて言えない…!!!!
レジが全て終わった。
「344円です」
「はい…」
大人しくレジを済ませる私。
ファミチキ…
魅入ってしまったが為にお昼までぐーぐーお腹を鳴らして仕事をした私。
あのイケメンのせいでチキンの売り上げが若干下がっているのではないかと思わずにはいられない。
チキン野郎な私の懐かしい思い出。




